横浜市保土ヶ谷区和田で養蜂プロジェクトに取り組む「昭和建設株式会社」(工藤圭亮代表取締役)で5月21日、今年初めてとなる採蜜作業が行われ、純度100%の「和田産蜂蜜」が約10kg採取された。取引先などに贈られる予定で収量に余裕があれば秋に一般にも販売される。
地元の新たな名産品としてハチミツを活用しようと2010年から始まったプロジェクトでは「わだまちミツバチ大作戦」銘打ち、社屋ビルの屋上を利用して養蜂場を設置。毎年およそ2万匹のセイヨウミツバチを飼育している。
採取したハチミツは「和田」と「ハニー」を掛け合わせ「WANEY(ワニー)」と名付けられ、取引先に贈るほか、地元のイベントなどでも販売され、人気を集めている。13年目となる今年も4月下旬に巣箱を設置していた。
スプーン2杯
ミツバチは一般的に半径およそ2Kmほどの圏内から花蜜を集めるとされている。同社を中心とすると圏内には自然豊かな横浜国立大学や県立保土ケ谷公園などが立地。この辺りから花蜜を集めてきていると考えられる。
1匹のミツバチが生涯で集める蜜の量はティースプーン2杯程度。季節により味わいが変化し、春先はあっさり、採蜜が最終盤となる秋になるとコク深い味になってくるという。
10kgを採取
今シーズン初の採蜜となったこの日は地域に暮らす親子連れら13人も参加した。防護服に身を包んだ同社スタッフが巣箱から巣枠を1枚ずつ取り出し、蜜の詰まり具合を確認し、採蜜作業をスタート。蜂が作った巣の蓋を専用のナイフで切り落とすと、ぎっしりと詰まった黄金色の蜜が輝いた。巣蓋が開いた状態の巣枠を専用の遠心分離機にかけ、蛇口のコックを開き蜜が流れ出すと甘い香りが立ち込め、参加者は「ホットケーキにかけて食べたい」などと話していた。
この日、集まった純度100%の和田産蜂蜜は10kgほどで、品質も上々だという。参加者は採取した蜜を瓶に詰める作業までを体験。ラベルを貼り付け完成した「WANEY」を1瓶ずつ「アルバイト代」として受け取った。
工藤社長は「我々、建設業は自然界からさまざまな材料を使う。その恩返しが少しでもできれば。年間80kgほどの採蜜を見込んでいる。収量にもよるが秋には一般販売もできれば」と話した。