小田急電鉄とタッグ!ごみ収集のデジタル化で「人も輝く社会へ」~座間市×SDGs取材レポ~

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小田急電鉄とタッグ!ごみ収集のデジタル化で「人も輝く社会へ」~座間市×SDGs取材レポ~

 神奈川県の県央地区に位置する「座間市」。自動車工場や「キャンプ座間」の印象が強いこの人口13万人のベッドタウンがいま、「ごみ収集」で大きな注目を集め、自治体関係者の視察やメディアの取材が相次いでいます

  • 小田急電鉄株式会社とタッグを組んで導入している、最先端システムを用いた取り組みを取材しました。

<目次>
◎2019年に協定締結!小田急電鉄×座間市
◎ごみのない世界へ~「WOOMS」始動!
◎「WOOMS」で何ができる?
◎収集に「ついて行ってみた」
◎剪定枝の収集も
◎災害対策にも!「WOOMS」の可能性は無限大
◎「親しみやすく、楽しく」~環境啓発活動~
◎政策コンテストで大臣賞も

2019年に協定締結!小田急電鉄×座間市

 座間市と小田急電鉄のタッグは2019年にさかのぼります。2019年に小田急電鉄株式会社と「サーキュラー・エコノミー推進に係る連携と協力に関する協定を締結しました。サーキュラー・エコノミーとは循環型経済ともいい、資源や製品、原材料などの徹底した回収・リサイクル、省資源製品の開発、シェアリングなどを推し進め、新たな資源の使用や廃棄物を減らす循環型経済システムのこと。SDGsのゴール12「つくる責任・つかう責任」に即した考え方でもあります。

 小田急電鉄は、鉄道・不動産に次ぐ事業テーマとしてサーキュラーエコノミーを調査していたところ、収集業務について人手不足が深刻であり、地域社会の持続性にも多大な影響を及ぼしかねないと認識したといいます。そこで、自治体レベルの廃棄物収集の改革がサーキュラーエコノミー実現のカギを握っているとし、2019年3月に収集事業のデジタル化のトップランナーである米国の「ルビコン・グローバル社」と協定を締結。その実証の第一弾として座間市とタッグを組んだのです。

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ごみのない世界へ~「WOOMS」始動!

 座間市での実証実験の成果として、小田急電鉄では「”ごみ”のない世界へ。Beyond Waste」をビジョンとする2021年9月にウェイストマネジメント事業「WOOMS」が始動しました。

「WOOMS」の大きな柱は、「収集・排出サポート」と「資源循環サポート」の2つ。「収集・排出サポート」は集積所の位置情報、収集状況をデジタルテクノロジーで一元管理し、作業の生産性を上げる(余力を生む)ことを目指すもの。「資源循環サポート」は、その余力で、資源循環を高める施策を提供するものです。座間市では2020年にスタートした実証実験から「WOOMS」を活用し続けており、全国的にみても先進的なシステムを備えた自治体といえます。

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「WOOMS」で何ができる?

 2022年6月某日、座間市の清掃職員たちの拠点になっている「座間市クリーンセンター」(入谷西)を訪れ、「WOOMS」活用法を現地取材してきました。

 クリーンセンターは、旧市役所の跡地に建てられたもの。入口には「ZERO WASTE」と手書きのメッセージボードが飾られています。

 2階のメインフロアに入ってみると、中央には大きなモニターが設置されていました。

画面左上には「WOOMS」の文字が。この画面で「WOOMS」の管理しているデータを見ることができます。収集の配車・システム担当班長を務める小松田裕さんに話を聞きました。

車の現在位置をリアルタイムで把握

まず見せてくれた画面が、車のイラストが点在している座間市のマップです。

小松田さん「これはいまこの瞬間、収集に出ている車がどこにいるかを把握できる画面です」

 取材したのは午前11時頃。多くの車が市内で収集をしていますが、地図上で一番下の車は、一度収集が満杯になり、海老名市にある処理施設「高座クリーンセンター」に向かっている途中であることがわかります。

 収集車は満杯になると処理施設に行き、ごみをおろした後、また市内に戻り収集を続けます。座間市では、午前に1度、午後に2度、市内と処理施設とを往復します。

ルートや収集状況、走行速度まで記録

また、車一台のデータを選択すると、車のルートや収集状況、また車の走行速度までデータ化されていました。

燃やすごみの収集をリアルタイムで表示するシステム画面。緑色の「✓」は収集完了、水色の時計のマークが未収集の場所です。矢印が車の通ったルート。黄色いマークは、燃やすごみと一緒に、資源である「剪定枝」が出されていることを示しています。詳しくは後述の「剪定枝の収集も」へ。

 これを可能にしているのが各車両に搭載されているタブレット端末。このタブレットを通して現在地、積載量、収集の完了状況をリアルタイムで更新しています。

 「収集完了」は収集員が集積所ごとに手打ちしているのではなく自動です。集積所の付近に停止(あるいは減速して通過)すると、「収集完了」とシステムが判断し自動的に反映されます。操作をする必要もないので、収集員の負担も少なく、また安全に収集業務に専念できます。

 システムの導入により、収集が遅れているエリアが各車両のタブレットからも一目瞭然になりました。これにより、遅れているエリアには近くの車輛がすぐさまアシストに入れるようになりました

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収集に「ついて行ってみた」

 リアルタイムで更新されている「WOOMS」のシステムの情報をたよりに、収集が完了していない集積所に先回りして待機してみました。すると…

 収集車がやってきました!座間市のマスコットキャラクター「ざまりん」のイラストがかわいい、子どもたちにも大人気の車。現実とほぼ時間の誤差なくシステムが機能していることがわかります。

 収集はドライバーと助手が2人1組となって、流れるような連携で次から次へとごみを収集していきます。

 写真でもわかるように、収集に同行していると皆さんの表情がとても生き生きとしていることがとても印象的です。

「まだ間に合う?これもお願い!」とかけこみで、ごみを持ってきた住民の方にも優しく対応し、笑顔であいさつを交わす―。市民とのコミュニケーションもあり接遇やおもてなしのスキルも備わっていることに驚きました。

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剪定枝の収集も

 「WOOMS」の活用により収集効率があがったことで、その「余力」で取り組み始めたのが剪定枝・草の収集です。この収集は、なんと現場職員の発案でした。これまでは事前申込制としていましたが、燃やすごみと同じ日に、同じ場所に出すよう変更されました。

収集に同行した場面でも、燃やすごみとともに剪定枝・草が一緒に捨てられていました

赤く印をつけたごみが剪定枝の袋

 燃やすごみの収集スタッフがごみを収集した際に、剪定枝があるのを確認すると、すぐにタブレット上で「剪定枝あり」とチェック(システム上では黄色いマークで表示されます)。するとその情報が集約され、後続で待機していた車が、剪定枝のある集積所だけをたどり、効率よく収集していきます。

 これが「WOOMS」による、職員の負荷を増やさず、新たな資源回収を可能にする「波状収集」です。

収集した剪定枝は分別→バイオマス燃料に

 回収された剪定枝は、一つずつ袋を破り、中に異物がないかを選別していきます。

 小松田さん「栽培していた草木をプラスチックの鉢ごと捨てているなど、プラスチックごみの混入が散見されています。『剪定枝や草木が燃やすごみと一緒の日にだせる』ことは認知されてきたので、分別を徹底してもらうことが次の課題ですね」

 剪定枝は例年、草木が生い茂る夏前に収集量はピークを迎えます。今年5月だけで108トンの収集があり、昨年の85トンを大きく上回りました。この剪定枝は資源としてバイオ燃料に生まれ変わります

ごみの減量にも

 また、剪定枝の収集が増加したことは可燃物全体の減量につながっています。2021年度のごみ収集状況を見ると、座間市の「家庭系可燃物」は前年比7.76%減。この減少幅は、同じ「高座クリーンセンター」で焼却を行う海老名市、綾瀬市と比較しても大きいものです。

 座間市資源対策課の依田玄基課長は「『一人1日当たり約102グラム、おにぎり1個分のごみ減量』とよびかけてきたことも結果に表れていると感じている。市民の皆様のご協力には本当に感謝したい」と話しています。

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災害対策にも!「WOOMS」の可能性は無限大

「WOOMS」の活用により、座間市が想定していた以上のメリットが。それは災害対策です。

2021年10月、台風16号が接近したときには、収集員が川の様子を撮影しシステムに更新市の危機管理課と共有され、増水の危険性の把握などに貢献しました。

依田玄基課長「普段から市内をまわり、市内を熟知しているのが収集員。ごみに加え、情報の収集も担えるようになったことで、行政のさまざまな分野で重要なツールになる可能性を秘めているといえます」

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「親しみやすく、楽しく」~環境啓発活動~

 一般的にマイナスのイメージを持たれやすい収集員ですが、座間市では親しみやすい存在、あこがれる職業を目指して意識して行動をしているそうです。とくに、パッカー車に「ざまりん」のイラストを描いたことがひとつのきっかけとなり、収集員の皆さんにも心境の変化があったといいます。

小松田さん「20年前は、子どもたちは車をみると鼻をつまんでいたものです。それが今や手を振ってもらえる。ざまりんの力はすごいですね。私たちも、そんな子どもたちのエールに応えられる存在でいようという機運が全体的に高まり、立ち振る舞いや運転マナーなど一層気を付けるようになりました」

 小田急電鉄との「共創」はここにも。202111月には、小田急電鉄のWOOMSメンバーとともに考案したコンセプトデザインのパッカー車が座間市に納車されました。

納車の翌月に座間駅前に展示されたパッカー車。

 このパッカー車は、「海のぜろうぇいすと号」と名付けられ、車体は青。ごみの問題は、川、そして海につながっていることを伝えています。SDGsの14番目のゴール「海の豊かさを守ろう」の考え方につながるものです

 クリーンセンターでは、かねてより環境啓発活動に積極的に取り組んできました。保育園や地域のイベントなどに出向き、子どもたちが楽しくリサイクルや分別について学べるよう伝えています。こうした積み重ねは、SDGsの達成にも大きく寄与しています。

 「WOOMS」としては、昨年10月にプロギングイベントを県立座間谷戸山公園で初めて開催。市や在日米陸軍らと共同で相模川清掃活動も行っています。

このように座間市と小田急電鉄は、継続的な環境啓発活動も通してSDGs達成に貢献しているのです。

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政策コンテストで大臣賞も

 2021年12月に開催された内閣府地方創生推進室主催の「地方創生★政策アイデアコンテスト」で、座間市資源対策課の「家庭から排出される紙おむつのリサイクル」がグランプリにあたる地方創生担当大臣賞に輝きました。
 コンテストは、地域課題の分析を踏まえた、地域を元気にするような政策アイデアを募集するもので。7回目の今回は、学生、一般、地方公共団体の3部門で全国から963組の応募がありました。
 座間市資源対策課は初めての応募ながら、地方選考、一次選考の書類審査を通過し、オンラインでプレゼンテーション審査を行う最終審査会に進出。「家庭から排出される紙おむつのリサイクル」をテーマに依田玄基課長がプレゼンを行いました。
 プレゼンでは、全国データの分析では家庭から出される紙おむつの量は高齢社会で年々増加し、大人用が子ども用を上回る状況になるなど、ごみの減量化や循環型社会の実現に向けた課題だと指摘。市では小田急電鉄株式会社と協力してごみ収集のDX化に取り組んできた実績があることから、おむつが捨てられた集積所をリアルタイムで一元管理し、効率よく回って収集すればリサイクルにつながると提案しました。「WOOMS」の活用で燃やすごみとしていた剪定枝の資源化を実現した実績があることも強調しました。

いらないものはない、皆大切な価値がある

 「No Garbage. No Waste. All Resources.」

座間市資源対策課の依田玄基課長は、この言葉を引き合いに、ごみ収集のデジタル化は、単にごみを減らすことだけにとどまらない魅力があると語ります。

 依田課長「いらないものは存在しない。みなそれぞれに大切な価値がある。これはごみの問題だけではなく、人間にもいえることだと思います。そしてそこがまさしく、私たちがDXによって目指すところでもあるのです。ごみの収集にプラスして情報の収集も行うことによって、業務が効率化され、職員の働きがいにもつながっている。人が輝き、座間市が住みよい街になる。それが私たちの目指す『ゴール』なのです」

 座間市と小田急電鉄がタッグを組んで進めているごみ収集のデジタル化。効率化によって剪定枝など新たな資源も生まれ、ごみのない社会「All Resources」に向けて、現場の収集員が主役となり、これまで培ってきたノウハウをデジタルの力で最大化し、着実に成果を出していることがわかりました。座間市の目指す「人の輝く社会へ」、挑戦はまだまだ続きます。

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住所

神奈川県座間市緑ケ丘1丁目1−1

問い合わせ

小田急電鉄株式会社

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公開日:2022-06-08

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