中田東在住の牧野恒明さん
泉区が6月22日(水)に開催する生涯学習講座「〜天気と防災の心得〜『晴れの日も、雨の日も、空が教えてくれること』」で講師を務めるのが中田東在住の気象予報士・牧野恒明さん(74)だ。高校卒業後、横浜市職員として水道局に勤務。55歳で気象予報士の資格を取得し、現在は気象庁気象科学館で解説員として来館者の質問に応える傍ら、関連サークルにも所属して実験を交えた講演などを行っている。
「天気好き」高じ
「小さいころからなぜか天気が好きだった」と牧野さん。小学生の頃は気象クラブに所属し、中学3年になると新聞配達で得た給料で謄写版印刷機を購入した。天気図用紙を印刷し、気象観測の情報を発表するラジオ放送「気象通報」を聴きながら夢中で天気図を書く毎日。「面白くていまだにやっている」と笑う。気象大学校への進学も希望したが100倍を超える倍率に阻まれ就職の道を選んだ。
転機が訪れたのは予報士制度開始からおよそ10年が過ぎた頃。母が倒れ、自らも視力に異変を感じ、失明の恐れを医師から告げられた。母が倒れた日に偶然購入したのが、予報士のバイブルと言われる「一般気象学」。手術を経て視力も回復すると「予報士に挑戦しよう」と意欲が湧き、2度目の挑戦で難関とされる気象予報士の資格を手にした。
コロナ禍以前はよく開かれていた予報士同士の勉強会。リタイア後の人もいれば、現役の医者、パイロット、教師、プロスポーツ選手など多様な職業の仲間が集った。楽しみはその後の飲み会。「天気図を見て1時間以上喋ることもあった」と楽しい時間を振り返る。
知識得て命守って
「退職後は絶対にボランティアをやると決めていた」。退職後すぐに泉区や戸塚区の人財バンクに登録。依頼を受け講演活動などを行っている。
気象と防災の「なぜ」伝える講座 受講料無料
22日の講座では気象実験を通して楽しく空の不思議を伝えるとともに防災の知識も伝える。「区内の公園で落雷による重傷者が出たこともあるし、大雨の時に近づいてはいけない場所もある。命を守ることが大切」。
講座は22日午前10時から泉区役所4階会議室。受講料無料で、15日まで受講申し込みを受け付けている。詳細・申し込みはいずみ区民活動支援センター【電話】045・800・2393へ。