円徳寺(初声町和田3493)の村山智洋住職は8月2日、日本伝統の手漉き和紙文化を守ろうと、矢作区を拠点に活動する市民団体「三浦手漉き和紙を考える会」が作った和紙に揮毫した賞状と曼荼羅をお披露目した。また「三浦手漉き和紙」の更なる繁栄を願って祈祷も執り行った。
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角田鳶土木の角田義行さんと小杉農園の小杉智さんは2019年1月に同寺に赴いた際、和紙の原料となるこうぞ楮の祈祷を受けていた木南有美子さんと出会った。木南さんは手漉き和紙の普及と社会貢献活動に取り組むNPO法人PIARASの代表で、2人は楮の苗を譲り受けて三浦で栽培をスタート。今年ようやく収穫できた楮を釜で蒸し、皮を剥くなど下処理。それを埼玉県小川町の久保製紙に送り、原料加工と紙漉きを体験し、大小約50枚の紙を完成させた。
コーディネーターとして活動に関わる木南さんは「伝統的な方法によって新たな土地で和紙が作られることは意味のあること」とともに喜んだ。
寺院に賞状展示
会発足のきっかけとなった円徳寺。「将来的には学校の卒業証書に三浦手漉き和紙を使ってほしい」という小杉さんの想いを踏まえ、村山住職は市内で楮の栽培から和紙作成までの功績を称え、賞状と曼荼羅を完成させた。これを手にした角田さんは「非常に達筆でお見事」と感激した。
賞状と和紙数枚は同寺で見ることができる。