三浦郷土芸能「いなりっこ」3年ぶり復活 晴れの舞台は2022年10月2日 稽古大詰め~世代超え受け継ぐ

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太鼓のリズムに合わせて、輪になって踊る稽古風景=8月31日撮影

三崎の「いなりっこ」

 狐や山の神といったユニークな表情の面と衣装を身に付けた子どもたちが、太鼓、篠笛、鐘の音色に合わせて舞台の上で踊る三浦市指定重要無形民俗文化財「面神楽」の子ども版「いなりっこ」。50回目の節目を迎える発表会が、10月2日㈰午後2時30分から三浦市民ホール(うらり2階)で開催される。親から子、孫へと代り2階)で開催される。親から子、孫へと代々受け継がれてきた郷土芸能。年中から高校1年までの17人が三崎・海南神社の氏子会館に集まり、額に汗しながら稽古に励む姿は夏夜の恒例となっている。コロナ禍を乗り越え、演者は迫真の演技を披露する日を待ち望んでいる。

8月中旬から稽古再開

 「首を振って」「見合って」「位置はそのまま」「反対」「慌てないでゆっくり」―。子どもたちを指導するのは、三浦いなりっこ保存会(水上俊郎会長)メンバー。キリリと鋭い眼光で見つめ、少しでも違和感を感じると歩み寄り、身振り手振りで手本を示す。新型コロナの影響で、発表会は過去2回、中止を余儀なくされたが、今年は演目を減らすなど工夫を凝らしながら、開催の準備が進められている。8月中旬から稽古も再開。〝三密〟を避けるために2組に分かれ、限られた時間の中で役に没頭中だ。父親が「面神楽」で笛を吹いているという双子の鈴木太神さん・亜琉さん(小学5年)は「稽古は難しくて、厳しいけれど、上手にできると楽しい」と共に笑みを浮かべる。

「『いなりっこ』の灯を消すまい」

 「いなりっこ」は、農村の豊作、漁村の豊魚を祈願する信仰の一つ「稲荷講」が訛った呼び名とされている。かつては三崎の各町内で踊られていたが、1960年頃から廃れていき、その2年後にはほぼ消滅した。しかし、71年に海南神社青年会が発足すると「『いなりっこ』の灯を消すまい」という声が上がり、翌72年に復活。現在は「面神楽」の踊り手でもある同保存会メンバーが、保存・継承を目的に活動している。皆、子どもの頃に「いなりっこ」を経験しており、心の琴線に触れる演技で、観客から惜しみない拍手を送られてきた。子どもたちに見せるキレのある動きは、そこに生きた先人たちの息づかいを感じさせる。

 指導者は2代目へと替わりつつある。「伝え続けなければならない」という使命感に駆られる大人たちだが、人口減少・流出の波は止められない。水上会長は「それでも郷土芸能を継いでくれる子どもたちが今、目の前にいる。みんなにとって待ちに待った成果発表の場を最高の形で応援するだけ」と、慈愛に満ちた眼差しで稽古場を眺める。

 演目は、最初に演じられる神楽で五穀豊穣と国家安康を祈願する舞「国がため」、竃の神・荒神様が里人に悪さをする邪神・山の神を退治する「湯立て」、狐の舞「天狐の舞」、大漁祈願の舞「恵比寿の舞」の4つを予定している。

 問い合わせは市民部文化スポーツ課【電話】046・882・1111(内線412)

開催日

2022年10月2日(日)
14時30分

住所

神奈川県三浦市三浦市民ホール(うらり2階)

問い合わせ

市民部文化スポーツ課

電話

046-882-1111

046-882-1111

内線:412

公開日:2022-09-17

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