片瀬山の住宅街の中でもひときわ目立つ建物があります。湘南モノレールの車窓から見え、小高い丘の上にある灰色の平たいドーム状の建築物は、古代の遺跡にもUFOの基地のようにも見えますね。近所の子どもに話を聞いてみると「ロケットの基地なんだよ!」と教えてくれました。本当にそうだったら、これは驚きです。その実態を調べてみました。
「腰越配水池・西鎌倉加圧ポンプ所」
この建物は、住居三階建てほどの高さのコンクリートブロックの台の上に鎮座しています。その正体は、「腰越配水池・西鎌倉加圧ポンプ所」。施設を管理する県企業庁藤沢水道営業所に、その役割と丘の上にある理由を尋ねてみました。
配水池とは、消毒した上水を一時的に蓄えて、配水量の調整や災害時の補水の役割も担っています。この「腰越配水池」が完成したのは1967年のことで、片瀬山の住宅地造成と同時に作られて、地域のためのインフラとして稼働を開始したといいます。相模川や宮ケ瀬ダムから届けられた水が、この大きさは直径24m、有効容量は2170tの配水池に貯められて、一日当たり約1300tの水を約1800戸に供給しています。
プレストレストコンクリート工法
不思議な形状は、正式には「プレストレストコンクリート工法」という造りで造成されており、一般的な鉄筋コンクリートより強度が高いことが特徴です。また、山の頂上にある理由としては、「高さを利用し、地域全体へ配水を行うため」なんだとか。同施設の10年前に片瀬山のふもとに10倍の容量を持つ片瀬配水池が完成していましたが、高台の供給が増えるために作られたのだといいます。
腰越配水池・西鎌倉加圧ポンプ所への行き方は、湘南モノレール「片瀬山駅」から歩いて9分程度。近くには片瀬山東公園があるので、歩き疲れたらそこでゆっくり休んでもいいかも。歩いて地元を散策してみると、まだまだ知らないことがいっぱいありますね。歩いて見つけた藤沢の不思議は、#ふじさわキュンウォーク をつけてInstagramやFacebookに投稿してね。みんなで歩いて #enjoylocal