- JR桜木町駅から高島町方向へ線路沿いに歩いて10分ほどのところに社会福祉法人 横浜市福祉サービス協会の本部ビルがあります。その1階と2階に福祉用具専用のショールームがあるのをご存知でしょうか。複数のメーカーの製品を確認できるとあって、2022年11月のオープン以来、好評のようです。
このショールームを手掛けるのは、横浜市内で訪問介護や居宅介護支援、地域ケアプラザ、訪問看護の事業所、老人ホームなど数多くの福祉施設を運営する横浜市福祉サービス協会です。
その協会の福祉用具センターでは「一般の方や介護関係者が実際に見て触って体感できるショールームがあれば、どれだけいいだろう」と、これまでもショールームの整備を検討してきました。また「特殊な移動用リフトの研修を受けるにも、用意できるまでに時間がかかり研修場所もないのが現状」として、「常設の研修スペースがあれば安心感も生まれます。一人でも多くの人に腰痛予防の介護知識を身につけてもらい、スキルを上げる一助になれば」と整備することになったそうです。
「最新のベッドを体感できる場として、実際に見て寝てもらいその方にあったものを選んでいただけます」と同センター。また、介護保険を受けていない方が病院からの退院時に、急遽、電動ベッドが必要となれば購入専用のベッドを買うことができます。床ずれ予防のマットも展示しているので、「ケアマネジャーには、ベッドとあわせて、プランニングのサポートになれば」と期待を込めます。
- 「どなたでも自由に見学できますので、お気軽にお立ち寄りください」と同センターは呼びかけています。
1階には電動ベッドや介護用ベッドを展示。2階には最新の車いすや歩行器、杖などの福祉用具が並びます。
1階と2階は吹き抜けでつながっていて、2階の道路側はガラス張りと、開放感あふれる造りとなっています。また、1階には介助用用具の操作を習う研修スペースも設けられています。
歩行分析アプリで運動トレーニングの提案も
AIによる歩行分析アプリ「トルト」も導入。同アプリをインストールしたスマホで歩行動画を撮るだけで、「速度」「ふらつき」「リズム」「左右差」の4項目を評価して、その人に最適な運動トレーニングを提案してくれます。
このアプリは理学療法士の知見をもとに開発された優れもの。ショールームに訪れた際には、このアプリを使って歩行の改善ポイントを把握。本人だけでなく、家族も状況を共有することで介護予防にもつながります。
人気の「INTIME(インタイム)」を展示・販売
退院後に購入希望者が多いという電動ベッドも、わざわざメーカーのショールームに行かなくてもその場で確認して購入することもできるのもメリットです。
利用者から高い支持を得ているパラマウントベッドの「INTIME(インタイム)」も展示しており、購入することができます。ハイクラスINTIME3000をはじめ、6年ぶりにフルモデルチェンジしたNEW INTIME1000も。INTIME1000は、インテリアに調和して豊かな時を過ごす部屋づくりのために電動ベッドはどうあるべきか、その点にこだわって開発されました。
また、同センターは福祉用具の貸与事業者なので、1つのメーカーに偏ることなく、複数のメーカーの製品を展示していて、必要とする人にとって、ベストな製品を提案してくれます。
福祉用具専門相談員で所長を務める佐久間勲さんは「電動ベッドや福祉用具を選ぶときは、パンフレットを見ただけで判断せずに、ご相談の上、実際の商品を見てあったものを選ぶことが大切です」と話します。
平日の午前10時からオープンしているので、福祉用具を利用する本人はもちろん、家族やケアマネジャーなど誰もが気軽に訪れることができます(土曜日は予約のみの対応となっています)。また、近隣のタイムズ駐車場(桜木町第5・第7)であればサービス券発行が可能なので、車での来場も安心です。
トータルコーディネート
ショールームを運営する福祉用具センターは、電動ベッドや車いす、歩行器のレンタル・購入だけでなく、手すりの設置からバスルームのリフォームまで、福祉に関わる住宅改修も受け付けています。専門職のスタッフがトータルコーディネートしてくれるのが同センターの魅力です。
その特徴は3点です。
スピーディーな対応
扱う商品量が豊富なため、緊急時にも配送が可能なのが同センターの強み。当日や翌日の納品、引き取りにも対応できるそうです。
質の高い商品
複数のカタログから利用者のニーズにあった商品を選ぶことができます。ショールームでは最新式の介護ベッドを体感できます。
「福祉用具専門相談員」が対応
資格を持った相談員が、適切な福祉用具の選定とフィッティングからアフターフォローまで、充実した利用者の生活を支援します。
- 「要支援・要介護状態になっても、持っている能力に応じて自立した日常生活を送りたい」、そのような思いに応えるのが介護保険制度における福祉用具のレンタル・販売および住宅改修です。佐久間さんは「お客さまの日常生活をサポートし、介護される方の負担を軽減するサービスとしてぜひともご活用ください」と話しています。
研修を受けた後の講習などにも
ショールーム2階には、個室や会議室もあり、「1階研修スペースで演習をした後に、2階会議室で講習を受けることができます。居宅介護支援事業所などの皆様に活用いただけるような場にしていきたい」と佐久間さん。
運営母体はホームヘルパー養成のパイオニア
ショールームを手掛ける横浜市福祉サービス協会は、民間のヘルパー派遣団体として発足した「ホームヘルプ協会」と、在宅福祉サービス事業の必要性を感じていた横浜市が協働して、1984年12月横浜市の外郭団体「財団法人横浜市ホームヘルプ協会」として誕生しました。その後、1997年1月、福祉の総合的な担い手として設立された「社会福祉法人横浜市福祉サービス協会」に引き継がれました。設立当時、担い手が少なかったホームヘルパーの養成やサービス提供量の増加に大きく貢献するなど、その業界のパイオニアと言える存在です。
いまでは、ヘルパーステーションを含む介護事務所39カ所、指定管理者として運営する地域ケアプラザ21館、老人ホーム(特養/養護)3館(うち2館は指定管理者)、小規模多機能型居宅介護1館を運営しています。福祉用具センターは、同協会が手掛けるこれらの事業所の1つで、2011年に開設されています。