鎌倉観光魅力の一つとして、四季の花観賞があげられる。特に春はサクラ、夏はハナショウブ、秋は紅葉、冬はスイセンとほぼ1年中花散策を楽しむことができる。
今回は、鎌倉の隠れた名所にある「ザ・アジサイ」を取り上げる。鎌倉の紫陽花といえば、明月院ブルーや長谷寺、背景を海にした成就院に咲き誇る紫陽花がまず頭に浮かぶ。しかし、他にもこの季節にしか味わえない隠れ家的名所がある。葛原岡神社にある紫陽花だ。
日野俊基を祀る神社として明治時代に建立された。比較的新しい神社であるが、幸せを勝ち取る「魔去る石」、縁結びの神「大黒様」に祀られている木像、「縁結び石」など、訪れる観光客が毎年のように増えてきており、人気が増している。
アクセスは鎌倉駅西口から北鎌倉線路沿いに歩いていく。阿仏尼の墓を通り抜けると仮粧坂の標識が見え、そこを左折する。住宅街から森林に入り、自然の中に包み込まれながら険しい急斜面を登っていく。峠を越えると右手に表参道が見えてくる。目的地に行きつくまでには当時の歴史を感じさせる日野俊基の宝篋印塔や、山頂からの絶景などが味わえる。参道を越えるといよいよ石鳥居が見え、梅雨の時期には満面の笑みのアジサイが観光客を迎えてくれる。中でもオススメなのが本殿ロードにある紫陽花だ。そこには仮粧坂を登った一瞬の辛さを吹き飛ばしてくれる神秘的絶景が観光客を待っている。
中田 晋