泉区在住 たかはしそうた監督
映画監督として活動するたかはしそうたさん(31歳・泉区在住)=人物風土記で紹介=が上飯田ショッピングセンターを中心に撮影した映画「上飯田の話」(2021年/63分)が4月15日(土)から劇場公開される。
3つのショートストーリー「いなめない話」「あきらめきれない話」「どっこいどっこいな話」からなる今作について、たかはしさんは「物語だけでなく、映画の中に流れる風景や時間も楽しんでもらえたら」と呼びかけている。
ただのロケ地でなく
今作はたかはしさんが東京藝大大学院在学中の2020年に撮影。上飯田町に住んでいた祖父が亡くなり、片付けを手伝っていた時に近くの上飯田ショッピングセンターを知ったという。
「中に入ってみると、おばあさんたちがショーウインドウに腰かけて談笑していて。なんだかいい場所だなぁと思ったんです」
そこを中心に映画を撮ることに決めたたかはしさん。「この場所を、ただのロケ地とはしたくなかった。町の人と関係を作りながら、映画をつくるのが好きなので」。ショッピングセンターに相談をすると快く協力を得られたという。
居酒屋のシーンには実際に「和らく」のマスターや常連客も登場。ぎこちなくならないよう「カメラを回す前に、1時間くらい普通に飲んだり食べたりして。あったまってきた頃に、さぁ撮りましょうかと」と工夫して臨んだ。

上飯田の町を舞台に3つのショートストーリーが展開される(左は「いなめない話」、右は「どっこいどっこいな話」)
多くの人に届けたい
この春、大学院を修了したたかはしさん。助監督などの仕事も手伝いながら、今後は映画監督としての道を歩んでいきたいという。そんな中で決まった監督作品として初の劇場公開はポレポレ東中野(東京都中野区/JR東中野駅近く)で4月15日から始まる。
昨今、映画作品の楽しみ方は劇場だけではないが、「作品の中の時間も一緒に体感してもらいたい。その意味ではやっぱり劇場で浸ってもらえたら」との思いがある。
また「上飯田や泉区の人たちにも楽しんでもらいたい。近くでの公開も模索していけたら」と意欲を語っている。