里山と田園風景が美しい大和市深見に「深見直売所」が2023年4月21日に新規オープンしました。
手がけたのは、地元の有志で結成された任意団体「島津おいしいやさいの会」です。開店から1カ月ほどが経った現在も多くのお客様でにぎわいをみせています。
◇「地元の農家さんの力になりたい」
島津おいしいやさいの会で会長を務めるのは地元出身・在住の荻窪登さん(55)です。
大和市内で不動産業を営む荻窪さんは、もともと所有する田んぼを地域の保育園などに無償で提供し、子どもたちの田植え体験などに協力してきました。そんな荻窪さんは、ある時、跡継ぎ不足や農業従事者の高齢化、販路の悩みとった課題を知りました。「地元の農家さんの力になりたい」と思った荻窪さんは、つながりのある企業や団体、議員の方たちなどと連携しながら直売所の開設に奔走しました。
荻窪さんの親戚が所有する土地を活用し、ついに4月を迎えました。直売所には地元の農家が大切に育てた季節折々の野菜が並びます。新規開店の時にはブロッコリーやレタス、チンゲン菜、タケノコなどが陳列され、飛ぶように売れていきました。
◇甲子園に応援に来た農家の皆さんたち
荻窪さんは藤嶺藤沢高校の3年時、夏の甲子園に出場した経験を持ちます。この時、深見地区の農家の方たちがバスをチャーターして応援に来てくれたそう。「とてもびっくりして、とてもうれしかったんです」と荻窪さん。甲子園ではPL学園の桑田真澄選手や清原和博選手とも交流を持ち、社会人野球の選手となってからは、大リーガーの大谷翔平選手の父ともプレーした荻窪さんですが、「甲子園で農家の方々が応援に来てくださったことが一番覚えています」と今も感謝の気持ちを持っています。
◇直売所の「これから」
荻窪さんが直売所を開設した理由は、販路拡大や直売所を拠点とした地域の世代間交流といいます。荻窪さんは深見だけでなく、市内外に同様の直売所を増やしていきたいと考えているそうです。「高校時代に応援していただいた恩返しになればうれしいですね」。地元愛あふれる荻窪さんのチャレンジは続きます。
◆深見直売所オープン時のタウンニュース記事はこちら
https://www.townnews.co.jp/0401/2023/04/21/675240.html
https://www.townnews.co.jp/0401/2023/05/05/677140.html
◆荻窪さんの人物紹介記事はこちら