及川の道路予定地から厚木で4基目の前方後円墳 見つかる(5月20日現地見学会)

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及川の道路予定地から厚木で4基目の前方後円墳 見つかる(5月20日現地見学会)
鍵穴の形に見える古墳 ※画像はかながわ考古学財団提供 一部当社で加工

 厚木秦野道路の建設予定地(厚木市及川)で発掘されていた及川伊勢宮遺跡の円墳が、市内4基目となる前方後円墳であると分かった。長さ37m、古墳時代の前期から中期初頭に造られ、荻野川流域のリーダーが葬られた可能性がある。石室などは見つかっていない。

「円墳」掘ってみたら‥

 この場所は国道246バイパス厚木秦野道路の建設予定地で、荻野川近くのやや高台。昨年1月からかながわ考古学財団が発掘を進めていた。これまで縄文時代から近世までの遺構が見つかっており、及川伊勢宮遺跡と呼ばれる。

 同遺構は円墳と推測されていたが詳細は不明。今回改めて掘ったところ、1月ごろに前方後円墳である事が判明した。「荻野川の流域では初の前方後円墳です。判明した時は、大変なことになったと思った」(財団職員)。

荻野川流域のリーダー埋葬

 これまで厚木市内で見つかっている前方後円墳は、愛甲石田駅近くの愛甲大塚古墳(愛甲東・全長80〜90m)が最も大きく、相模側右岸では最大規模。また国道246号にまたがる72mの船子地頭山古墳、ぼうさいの丘公園敷地で見つかった60m規模のホウダイヤマ古墳があり、今回発見されたものは比較的小さい。

建造は3世紀中頃から4世紀初頭(古墳時代前期〜中期初頭)とみられ、埋葬されたのは石室ではなく土坑(どこう)と呼ばれる構造とみられる。墳丘の高さは1・7mで、幅3・5m〜5mの水のない周溝が取り囲む。ここからは土器片が見つかっている。

 また調査では周辺に一辺が14mの方墳と、周溝のある円墳と思われる構造も計3つ見つかっており、群集墳であることも分かった。

 財団の学芸員は「分布から荻野川流域のリーダーが葬られていたのでは」と推測している。同財団では今後も後円部の調査を進める予定だ。

5月20日(土)現地見学会

 周辺の住民は「元々雑木林や畑で、関心もなかった」「横から見ても素人だし分からない」といった声も。

 現地では5月20日(土)に遺跡見学会が開かれる。午前10時から正午までと、午後1時半から3時まで。申し込み不要。「周溝まで見られる調査例は珍しい。ぐるりと回って実感してほしい」と担当者は呼び掛ける。

 場所は厚木市及川2丁目4付近。松蓮寺バス停で下車、北側に歩く。徒歩5分、駐車場はないのでバスや徒歩で来場を。荒天時は翌日順延。詳細・問い合わせは【携帯電話】090・5391・3173、または【携帯電話】090・4913・1318へ。

開催日

2023年5月20日(土)
・午前10時から正午まで
・午後1時半から3時まで

住所

神奈川県厚木市及川2丁目4付近

電話

090-5391-3173

090-5391-3173

または090-4913-1318

公開日:2023-05-19

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