神奈川県で初、高齢者講習専用だから安心・安全
70歳以上の運転免許更新時に必要な「高齢者講習」や「認知機能検査」が受けられる施設「高齢運転者講習センター」が、川崎市川崎区にオープンしました。川崎大師平間寺の自動車安全運転祈祷殿の駐車場に、実車走行可能なコースを新設した神奈川県では初めての施設です。
高齢者講習は、高齢者人口の増加、教習所などの施設や対応人員の不足などの理由で、講習待ち日数の長期化が課題になっており、そうした混雑緩和の一助にと、川崎市交通安全協会が県警の委託を受け開設しました。
駅から徒歩約2分、駐車場も完備
高齢ドライバー専用の施設なので、教習所のように多くの教習車が走る中で実車走行を行う必要は無く、広々とした施設で安心して講習を受けることができます。また、京急大師線東門前駅から徒歩約2分、首都高速大師インターから約1分で駐車場も完備しているので通いやすいことも特徴です。
そんな高齢運転者講習センターについて詳しく紹介します。
予約待ち無し、受講もスムーズ
安全運転をするには、判断力や視力、反射神経といった身体機能の低下、認知症の症状など、加齢に伴って変化していく心身の状態を知ることが大切。高齢者講習は、自分の運転能力や技能水準を自覚し、必要なアドバイスを受けることが目的です。
同センターでは、2階で受付をした後、3階の講習ルームに移動し座学(約30分)や運転適性検査(約30分)を受けます。その他、75歳以上の高齢運転者の方は、認知機能検査を受けます。
- 座学はDVDなどを視聴して、道路交通の現状や運転者の心構え、交通ルールや安全運転などに関する知識を確認します。
- 運転適性検査では、器材を使って静止視力、動体視力、夜間視力、視野の検査をします。
同センターの指導員は「高齢になると視力がどうしても衰えます、例えば視野の広さは20から40歳代の方は170度くらいありますが、70歳代になると150度くらいに。そうすると必要によっては首を振って見る範囲を広げる必要があります。そのように、自分自身を知ることで安全運転に必要なことを理解してもらえることが大切です」と話しています。
2023年4月にオープンしたばかりのなので、施設もきれいで、器材も最新のものが揃っています。予約待もなく講習もスムーズに受けられます。
軽自動車、マイカーでの講習も可能
座学と運転適性検査が終わると、実車指導(約20分)です。課題に合わせてコース内を実際に運転します。課題は右左折、信号通過、一時停止、段差乗り越えなどがあり、運転の状況によって指導員からアドバイスを受けます。教習所と違い他の教習車と一緒に走ることが無いので安心です。
同センターでは、現在のニーズに合わせて、軽自動車での講習も可能。普段から普通車には乗らないという方は軽の講習車を運転することができます。また、身体の障害で免許に条件を付されている方などはマイカーの講習にも対応しています。
これまで講習を受けた人からは
- 「車が少なくて安心して講習を受けられる」(72歳男性)、
- 「何カ月も運転していなかったけど、指導員の方が親切にアドバイスをしてくれた」(76歳女性)
といった好評な声があがっています。
75歳以上は「認知機能検査」の受検が必要
認知機能検査は、安全運転に必要な記憶力や判断力を測定する検査です。
運転免許の更新期間満了日の年齢が75歳以上の方は、高齢者講習の他に認知機能検査を受けることになっています。検査の結果、認知症のおそれあり、と判断された場合は、専門医またはかかりつけ医の診断を受け、診断書を提出することになります。認知症と診断された場合は、免許の取り消しまたは停止の対象になります。
高齢者講習には合否はなく、受講すればOK
紹介してきました「座学」「運転適性検査」「実車指導」の3つを行う高齢者講習には合否はありません。受講後に運転免許センターや警察署で免許の更新を申請することができます。
同センターの副管理者を務める田中克己さんは「加齢に伴い、気づかないうちに運転技術が衰えていることがあります。安全運転を続けるためにも、自分の心身の状態を把握しておくことは大切です。同センターは高齢運転者専用になり、分かりやすくスタッフも指導しています。高齢者講習を知らせるハガキが届いた方は、まずはお電話でご相談ください」と呼び掛けています。