クロガネモチはモチノキ科の常緑中高木である。茨城以西から四国九州にかけての温暖な山地や沿岸部に自生している。6月頃に咲く白い花は地味だが、秋には6mm位の赤い実をビッシリとつけるので大変良く目立つ。
美味しそうなので、レンジャクやヒヨドリ、キジバト、ムクドリなどが食べに来るが、じつはこの実はすこぶる苦いのだ。鳥類は視覚や聴覚は非常に優れているが、味覚はちょっと鈍いらしい。その鈍い舌にも、クロガネモチの実はまずくて沢山は食べられない。鳥たちに少しずつ食べさせて、タネをあちこちに運ばせるというクロガネモチの戦略は成功しているようだ。
クロガネモチは街路樹としてよく使われている。2021年3月には、三ツ境駅北口の街路樹にヒレンジャクが毎日訪れていた。庭木として自宅に植える人も多い。それは「クロガネモチ」という名前に、「苦労がねえ」と「金持ち」が両方入っているので、縁起を担いでいるからだ。縁起の良いクロガネモチを捜して瀬谷の街を散策するのも楽しいことだろう。
瀬谷環境ネットとは
瀬谷区およびその周辺地域の自然環境をよりよいものにして次世代に引き継ぎたいとの願いから生まれたボランティア団体。畑作、水路及びビオトープの生物環境保全や生物観察会、環境保護に関する講演会開催、小学校総合学習や教員研修会への支援等に取り組んでいる。