夏休み期間中、子どもだけで過ごさなくてはならない家庭の支援をしようと、茅ヶ崎の海岸地区ではこの夏、子どもたちの居場所として新たに「サマースペース海岸」を開設しました。地元茅ヶ崎の福祉団体を中心に、シニアや高校生ボランティアとの協働による先進的な取り組みは、茅ヶ崎市内でも注目を集め、各地区で広がりを見せています。その様子をレポートします!
海岸地区では近年、移住者が増加し、この2年で200世帯以上が新たに自治会に加入。転入増加と保育の需要の高まりに伴い、茅ヶ崎小や東海岸小学区では、学童保育に入れない児童も増えていました。中でも、共働きやひとり親など、夏休み中の子どもの預け先がない家庭への支援の必要性が高まっていたそうです。
これを受け、今年2023年4月から同地区の民生委員児童委員協議会と社会福祉協議会、東海岸小学校区青少年育成推進協議会は、子育て世代が安心して就労できる環境づくりを進めてきました。メンバーらは行政など各方面に掛け合い、会場と運営資金を確保。怪我や体調不良時の対応体制も整えました。
また、両校を通じて全家庭に周知を行い、サポートを必要とする家庭の児童約40人を無償で受け入れることが決まりました。
おやつ作りやバルーンアートなど多彩なプログラムも
8月のある開設日。午後1時を過ぎると、会場のうみかぜテラスには児童たちが続々と集まってきました。出迎えるのは、福祉団体メンバーや地域のシニア、市内高校に通う生徒たちです。
子どもたちは高校生から宿題を教えてもらったり、自由時間にはスタッフに砕けた口調で甘えたり、一緒にゲームや水遊びする姿も。中でも、おやつ作りやバルーンアートなど、日替わりのプログラムを楽しんでいました。
保護者からは「帰宅時の表情がいきいきとしていた」「安心して仕事ができた」などの声が上がったほか、高校生の最終日には、涙を見せて別れを惜しむ児童もいました。
各地区に広がり
土日と盆休みを除く24日間、およそ70人がローテーションで見守りに携わり、1日平均20人の子どもが過ごしたこの取り組みは、市内でも話題に。連日、各地区の民児協や社協らが視察に訪れ、すでに、類似の取り組みを始める地区もあるそうです。
海岸地区民児協の丸山泰会長は「見守りの高校生、シニアボランティアが子どもたちと同じ目線になり、温もりある空間を作ることができました。市内全域で同様の共助の取り組みを行うには、行政の支援も必要となるので、今後期待したい」と話していました。