タマムシは、日本で一番美しい昆虫である。金属光沢のある緑色の翅(はね)に赤茶色の筋が2本入り、角度により虹のように七色に輝く。これは微細な構造の翅に、光が散乱、屈折して見える「構造色」のためで、死後も美麗さは保たれる。
「吉兆虫」とも呼ばれ、法隆寺の国宝「玉虫の厨子」は4500匹ものタマムシの翅で装飾されている。しかし「玉虫色」という言葉は、今はあまり良い意味では使われていない。
タマムシは正式には「ニホンタマムシ」という、タマムシ科ルリタマムシ属の4cmほどの甲虫。本州以南の日本中の雑木林にいるが数が減少し、少数の県で絶滅危惧種に指定されている。
オスは7月後半の猛暑の日に、食樹であるケヤキやエノキの樹冠を飛び回って、葉陰にいるメスを探す。7月から8月になると、メスはケヤキ、エノキ、コナラなどの広葉樹の割れ目や伐採木に産卵する。幼虫は樹木の内部を食べ進み、2〜3年後の6、7月に成虫となる。猛暑の昼日中にキラキラ輝いて飛翔するタマムシの姿を見れば、誰もがきっと元気をもらえる事だろう。
瀬谷区およびその周辺地域の自然環境をよりよいものにして次世代に引き継ぎたいとの願いから生まれたボランティア団体。畑作、水路及びビオトープの生物環境保全や生物観察会、環境保護に関する講演会開催、小学校総合学習や教員研修会への支援等に取り組んでいる。