宮内自治会(田村二三夫会長)は12月9日、町内に掲示する歴史マップを描いた宮内中美術部の生徒に感謝状を贈った。東樹院の毘沙門天や、庚申塔の青面金剛など、古くから伝わる宮内の歴史を知り、イメージしながら巡ってもらいたい考え。マップの印刷にはキヤノンが協力し、年明けの掲示を目指す。
マップ内には、天神・神明社のアマテラスや春日神社の雨乞いの竜といったカラーの絵や、八坂神社跡のスサノオや道標薬師堂の行基などのモノクロなど、9点のイラストと2体のキャラクターが描かれている。
こだわった点は服のしわや影。毛並みの表現や明るく見えるような配色にも力を入れた。書き方は写真を見ながらの模写。全員初めての試みで、全体のバランスに悩みながら取り組んだ。
部長を務める東海林怜佳さん(3年)は「長い期間をかけて完成させたので、達成感があった。感謝状をいただき、部活として地域の役に立てたことを実感できた。頑張ってよかった」と笑顔を浮かべた。
目指すは観光名所
このマップは同会が宮内の歴史を知ってもらい、観光名所のようなイメージで作成したい、という思いから企画。過去に等々力緑地の工事中の囲いに同中学の美術部生徒が描いていた絵を見かけ、感銘を受けたことから依頼し、マップ作成が実現した。
印刷は、地元に事業所を構える精密機器大手のキヤノンが協力。大判サイズのカラーコピーが難しく悩んでいたところに「地域貢献したい」という同社から申し出があり、依頼した。
田村会長は「それぞれの得意分野を生かして、思い描いていた地図を作ることができた。地元の歴史を多くの人に知ってもらう機会になればうれしい」と述べた。
完成した地図は、年明けに公民館横の掲示板に貼り出される予定。