近年増加している子どもの食物アレルギー。その発症を予防するため、製品開発や摂取法の普及に取り組んでいる企業が、高津区内にある。
乳幼児向け、含有量別
坂戸の「かながわサイエンスパーク(KSP)」に拠点を構える「株式会社ビー・ケース」(今哲昭 代表取締役)は専門医が食物アレルギーの予防などに活用でき、国立生育医療研究センターの研究成果に基づいた規格となる微量の加熱全卵「ミルステップegg」を2023年、商品化。主にアトピー性皮膚炎などで鶏卵アレルギー発症のリスクがある乳幼児向けの商品で、含有量別に分かれた仕様となっている。
商品化の背景
商品化の背景にあったのが「食物アレルギーにおける常識の大きな変化」。数年前までは食物アレルギーを発症させないため、原因食物を除去するのが一般的だったが、2016年に同研究センターの大矢幸弘医師らが固茹で卵を少量ずつ摂取させることで鶏卵アレルギー発症の予防に繋げられることを証明した。だが実際に離乳食で少量を食べさせ続けるためには細かな計量や調理の手間がかかることから、大矢医師らが顧問となり、同社が簡単に正確な量を摂取できるように製品化した。摂取開始にあたっては主治医の指導が必要だという。
離乳食用商品「チャイルカップたまご」も
5月には一般の離乳食用商品の加熱全卵パウダー「チャイルカップたまご」も提供を開始した同社。今代表取締役は「今後、なるべく他のアレルゲン食物の製品も作れたらと思っている」と話す。現在は、近年アレルギーの多いクルミの製品の発売を目指し、準備を進めている。
同社製品について詳細は同社HP(ホームページ)(【URL】https://bcase.co.jp/)を参照。