明治中後期に小田原〜熱海間を人力で走っていた鉄道「豆相(ずそう)人車」の車両を4分の1サイズで再現した小嶺祐三さん(71)が6月24日、当時の運行ルートに沿って一日限定で車両を走らせた。
現在、道にレールは敷かれていないため、車輪を付けての移動。朝6時に小田原市内を出発し、熱海市の伊豆山まで約20Kmの道のりを10時間30分かけて踏破した。
「100年前に走っていた道を今行くことに価値があると思った」と小嶺さん。珍しい光景に、道中では通行人に度々声をかけられたという。自動車には道を譲ってもらい、励ましの言葉ももらった。「誰かと競争しているわけではない。とても気持ちの良い道中だった」と往路を終えて安堵の表情で振り返る。
小嶺さんは近日中に復路にも挑戦する予定で、現在道中を帯同できるボランティアを募集している。主な仕事は記録や道の誘導で、事前に打ち合わせなどをして安全に配慮して臨む。「往路でコースが分かった。復路は半分程度の時間で終わるはず。とても良い経験になると思うので、ぜひご協力いただければ」と参加を呼び掛けている。ボランティアの申し込みは小嶺さん【電話】090・3230・5792。