子どもはよく呼びます。
「見て!」
朝からです。
振り向くと、靴下を一人で履いていただけでした。もちろん拍手です。
すると数秒後。
「見て!」
今度は反対側です。
さっきの続きだと思うのですが、本人の中では別件らしい。もちろん見ます。
そしてまた、
「見て!」
今度はジャンプです。床から少し浮いています。
本人は満面の笑みです。こちらも拍手です。
公園へ行くと、さらに忙しくなります。
「見て!」
鉄棒です。見ます。
「もう一回見て!」
見ます。
「今の見た?」
見ました。
たぶん同じ技です。しかし本人は少し誇らしそうです。
その日は近くにいた子も鉄棒をしていました。
すると突然、
「見て!」
こちらを見ています。増えました。
今度はその隣の子も、
「見て!」
さらに増えました。
なぜなのでしょう。公園には時々そういう日があります。気づけば順番待ちです。
鉄棒。うんてい。ジャンプ。謎のポーズ。
発表会が続きます。
こちらは見学係として大忙しです。誰も遠慮しません。
みんな堂々と見てほしがっています。
少し前まで知らなかった子なのに、気づけば全員の演技を見ています。
帰り道、ふと聞いてみました。
「そんなに見てほしいの?」
すると、
「うん。」
即答でした。
理由はそれ以上ありません。
家に帰ると、今度は絵を持ってきました。
「見て!」
恐竜なのか電車なのか、少し判断が難しい作品でした。でも本人は満足そうです。
その日、公園で会った子たちも、みんな同じ顔をしていました。
でもそこで、「それは承認欲求というものですね」
なんて話を始めたら、公園で増殖した「見て!」軍団に怒られそうです。
見てほしいから見てほしい。
理由はそれで十分なのでしょう。
あなたが最後に誰かに「見て!」と言ったのは、いつですか。











