横浜開港時、混乱を避けるため吉田橋が架けられ、関門も設置されました。その内側は「関内」と呼ばれました。馬車道は、外国人も住む関内と吉田橋を結ぶ道として、新しい文化が行き交う通りでした。
文明開化の浪漫溢れる街並みの残る馬車道には、当時を彷彿とさせるさまざまな名物品があります。
<ご紹介している品>
ビスカウト:馬車道十番館
幸せを呼ぶ馬車道馬蹄パイ:ガトー・ド・ボワイヤージュ
馬車道店限定MIXキャンディ:パパブブレ
馬車道まんじゅう:松むら
馬車道あいすくりん食パン:馬車道グラヌーズ
公園通りの石畳シルクミルク:シルスマリア
馬車道モイスト化粧水:平安堂薬局
横濱馬車道あいす:タカナシ乳業(平安堂薬局で販売)
いなり寿司:泉平
馬車道コレクション:アートジュエリー
真珠製品:中里宝石
メガネソムリエのいる眼鏡店:山下眼鏡店
クロコダイルレザーコート(フルオーダー):馬車道・今井
紳士・婦人服:信濃屋
婦人服:馬車道ビネス(Venus)
ビスカウト:馬車道十番館
クリームをサンドしたクッキー。味はピーナッツ、チョコレート、レモンの3種類(私のお気に入りは濃厚なピーナッツ味!)。ガス灯のデザインやレトロなパッケージもかわいいと人気を集めています。
幸せを呼ぶ馬車道馬蹄パイ:ガトー・ド・ボワイヤージュ
縁起物である「馬蹄」の形。新鮮なバターで風味豊かにサックリ焼き上げています。チーズ味はちょっとしたおつまみ感覚で食べられるので、甘いものが苦手な方への贈り物にもおすすめ。
馬車道店限定MIXキャンディ:パパブブレ
色とりどりのコロンとしたフォルムがキュートなパパブブレ。実はこの飴、お店で職人さんたちが手作りしたもの。伸ばした飴を金太郎飴のようにカットして作っています。馬車道マークが入ったMIXキャンディーは同店限定。
「YOKOHAMA」の文字やイカリマークなど横浜土産にぴったりで、デザインごとに違う味なのも楽しい。週末にお店で行われている飴づくりの実演も必見!子どもから大人まで楽しく、美味しいキャンディーショップです。
馬車道まんじゅう:松むら
創業明治30年創業、現在4代目の老舗和菓子店。希少な大島黒砂糖を使用した同店の名物「馬車道まんじゅう」は上品な甘さが特徴です。
馬車道のロゴマークとガス灯の焼き印があり、前日までに予約をすればなんと1個からでも焼き印を押してくれるそうです!6個以上の箱入りには、馬車道の由来の説明書を入れてもらえるので、お持たせに持って行った時の話題にもなりますね。
馬車道あいすくりん食パン:馬車道グラヌーズ
馬車道で大人気だったパン屋さんが閉店から4年の時を経て、高級食パン専門店として2020年11月に復活!当時の常連さんたちに「グラヌーズの食パンを超えるパンはない」と言わしめるほどの逸品がさらにグレードアップ、早くも人気店の仲間入りに。
ほのかに甘い“あいすくりん”の風味を「レェ・グラヌーズ」で親しまれた湯だね食パンにブレンドすることで、どこか懐かしく、美味しい味わいになりました。
素材は北海道産の生クリームやバター、ミネラル豊富な富士山の天然水、国産とカナダ産の上質な小麦粉など厳選。
ふわふわの食感が人気の生食パンとスタッフさんイチ押しの山型パン、食べ比べも◎。軽くトーストすると、さらに美味しさが際立ちます。馬車道散歩に映える高級感溢れる紙袋に入れてくれるのも嬉しいポイント。
生食パンを使った馬車道あいすくりんラスクも手頃な価格でおすすめ。プレゼントに喜ばれる一品です。
公園通りの石畳シルクミルク:シルスマリア
「生チョコ」発祥のお店として有名なシルスマリアは、実は馬車道が本店。定番のミルクチョコレートは世代問わず人気ナンバーワン!3種のミルクチョコレートと新鮮な生クリームを使用した滑らかな口どけで、珈琲や紅茶はもちろん、ウイスキーなどお酒との相性も◎。
馬車道モイスト化粧水:平安堂薬局
馬車道で創業150年になる「平安堂」の薬剤師が考案したという隠れたヒット商品!無添加・高保湿でしっとりすべすべのお肌に。2020年に新築された店舗建物は、銀座のエルメスなどを手掛けた著名な建築家・地主道夫さんが設計したもの。モダンなデザインでありながら、街に溶け込んでいます。
横濱馬車道あいす:タカナシ乳業(平安堂薬局で販売)
明治時代の「あいすくりん」をイメージ。さっぱりどこか懐かしい味わいです。「なんで薬局でアイス?!」と思いましたが、平安堂薬局の3代目も当時珍しい写真現像やソーダ水、アイスクリームの製造販売を行うなど、薬局でありながら地域の人たちを楽しませたいと色々なことをやっていたと聞き、納得です。
いなり寿司:泉平
横浜でいなり寿司といったら「泉平」。創業天保10年、180年以上続く老舗中の老舗です。
秘伝の元汁を使って煮あげた油揚げを使用。さっぱりとした酢飯がいなりの甘さをひきたててくれます。シンプルな味だからこそ職人技が光る逸品なんですね。食べた瞬間、美味しさがじゅわ~と広がり、今も昔も老若男女に愛される味だと分かります。かんぴょう巻きとのセットでどうぞ。
開港当初から西洋文化を取り入れてきた馬車道ならではの、ファッションにまつわる専門店をご紹介します。
馬車道コレクション:アートジュエリー
馬車道ゆかりの馬、貴婦人、ガス灯などをモチーフにしたオリジナルジュエリーを多数取り揃えています。馬をモチーフにしたアクセサリーをこれだけ取り揃えているお店は国内では珍しいそうで、遠方から買い求めに来る人も多いとか。
馬車道のガス灯がこんな素敵なペンダントネックレスになっていました!やわらかな灯りを表現したホワイトシェルの周りにダイヤモンドが散りばめられ、品のある仕上がりに。大人の女性にぴったりなアイテムですね。
真珠製品:中里宝石
”創業75年の老舗宝石店”といった風格を漂わせながらも、価格を見ると思いのほかリーズナブル。カメオやカラージュエリーなどの人気商品はもちろん、普段使いしやすいデザインや1万円以下のお値打ち品も沢山あり、これならプレゼントや自分へのご褒美にも気軽に買えそうですね。
「良いものをお求めやすい価格でご提供していますので、馬車道散策の際にはぜひお立ち寄り下さい」と女性スタッフ。やわらかな笑顔と接客、そして宝石が放つパワーに心癒されます。
特に品揃えが豊富なのは、真珠製品!上質な長崎県壱岐産の無調色あこや真珠からゴールドパール、カジュアルな淡水真珠のネックレスまで、オリジナルのブローチやペンダントも人気だとか。
店内にある戦前の珊瑚や翡翠の帯留め、ブローチなど貴重な宝石類が展示されたミニギャラリーも必見。時を経ても輝きが変わらない、宝石の魅力を存分に感じることができるお店です。
メガネソムリエのいる眼鏡店:山下眼鏡店
”メガネソムリエ”として、メディア出演多数の山下修社長。
芸能人が愛用、ドラマで使用された…など話題の眼鏡をいち早く仕入れることでも知られていますが、それだけではありません。骨格やライフスタイル、眼鏡をかけるシーンなど細かくヒアリングした上で、1人ひとりにぴったりの眼鏡を提案してくれます。完全予約制で、フィッティングなど含めてじっくり1時間。
記者は「耳の位置が低いので、縦幅のある眼鏡を選ぶといいですよ」とアドバイスをいただき、目からうろこ!外階段から2階へ上がった所にある”秘密基地”には、芸能人の愛用者が多いという個性的なメガネブランド『FACTORY900』がずらり。全国でも限られたお店でした取扱いのないブランドだそうです。
色々とフィッティングさせていただき、すっかり眼鏡のとりこに。「ファッションの一つとして、選ぶ時間も楽しんでもらえたら」と山下社長。「どんな眼鏡が自分に似合うのか分からない」という人はぜひ一度相談に訪れてみては?
クロコダイルレザーコート(フルオーダー):馬車道・今井
「今井のはきもの」として1890年に馬車道で創業した同店。130年の時をこえた今は「レザー専門セレクトショップ」として老舗の看板を守っています。
ヒット商品となったオリジナルの長財布やバッグ、ジャケットなど1点ものの革製品がまるでアート作品のように並ぶ店内は、女性の私からも見ても「カッコいい!」と思わず口にしてしまうほど。日本で扱えるお店が少ないという良質なクロコダイルを得意とし、フルオーダーも人気です。30~60代を中心に、革にこだわるお洒落な大人の男性たちから絶大な支持を集めています。
高価なものだからこそ、確かな技術と品質で応えたい。妥協なきモノ作りに、全国に今井のファンは増え続けています。「自身がワクワク感を抱けるファッションを提供しながら、街の活性化にもつながるような〝馬車道ブランド”に発展させていけたら」と今井由美子社長。ロゴマークからも溢れる「馬車道愛」を感じました。
紳士・婦人服:信濃屋
日本で一番最初の洋品店といわれる「信濃屋」の創業は慶応2年。ネクタイも同店が初めて取り扱ったと言われているそうです。
写真は明治42年、横浜開港50周年を祝う弁天通。奥にローマ字で「SHINANOYA」と書かれた看板が見えます。同店の原点ともいうべき歴史を感じる1枚ですね。
現在はレディースとメンズ、そして先代の社長がデザイナーだったことからオーダー服の取り扱いも。その時代の流れやお客様の要望をくみ取ったファッションを提案し続けてきた同店。「親子やそのお孫さんなど、代々来ていただけるお客様も多く、本当に有難いですね」と6代目社長の望月茂さん。
昔の写真にも映っていた鹿鳴館スタイルのドレスは、同店でレンタルもできるとか。馬車道散策の記念にいかがでしょうか?
婦人服:馬車道ビネス(Venus)
国内メーカーの婦人服を扱うセレクトショップとして、2020年5月に新たにオープンした「ビネス」。
創業は昭和11年。デザイナーである大平哲夫氏が手掛けた紳士・婦人服のオーダーメイドショップ「ビネス洋装店」が始まりです。当時はまだ女性が着物を着ていた時代で婦人服を扱うお店は珍しく、一躍人気店に。昭和14年に婦人服専門店として、新たにオープンしたのが馬車道だったそうです。
「横浜大空襲や接収などもあり、区内を7回も移転。婦人服専門店としてスタートした現在の地に戻ってきました」とオーナーの則竹さんご夫妻。
創業当時のビネス。写真は昭和17年頃のもの。
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