横浜開港時、混乱を避けるため吉田橋が架けられ、関門も設置されました。その内側は「関内」と呼ばれました。馬車道は、外国人も住む関内と吉田橋を結ぶ道として、新しい文化が行き交う通りでした。
文明開化の浪漫溢れる街並みの残る馬車道には、大人の街ならではの名物グルメが数多くあります。
名代「牛鍋」:荒井屋
創業120年余りの老舗で提供されるのは、文明開化と共に生まれたハイカラな料理「牛鍋」です。伊勢佐木町の本店(2017年改装)同様の風情ある設えとおもてなしの万国橋店で、横浜の食文化が味わえます。
創業当時から変えていないという秘伝の割り下で、グツグツと煮える音までがごちそうに!お肉はとろけるようなやわらさで、期待をはるかに上回る美味しさ。厳選した国産黒毛和牛を一頭買いで仕入れているそうで、牛鍋以外にも各部位の旨味をあますことなく使ったメニューの数々が楽しめます。
ランチ限定の「開化牛鍋膳」は万国橋店のみで提供。おひとりさまでも気軽に牛鍋が味わえるとあって人気です。
勝烈定食(ヒレかつ定食):勝烈庵
ハマっ子なら誰もがご存知、勝烈庵。昭和2年創業、馬車道が本店です。
厳選された肉に自家製の生パン粉、そして野菜と果物をじっくり2日間煮込み、さらに1日寝かせて作るというソースは唯一無二の美味しさ!甘くフルーティーな味わいで、ソースはたっぷりかけるのがおすすめとのこと。お肉はもちろん、キャベツとの相性も抜群です。
同店の店名書体は世界的に著名な版画家の棟方志功氏が手掛けており、店内に飾られた同氏の版画や肉筆画の作品も必見。ふと箸袋を見ると、吉野熊野古道山林の間伐材で作られたエコ割りばし(宮内庁御用達の箸勝本店のもの)で、持ち帰って家庭でも使えます・・・との記載が。老舗ならではの心遣いに、お腹も心もほっこり満たされます。
十番館プディングロワイヤルとクリームソーダ:馬車道十番館
明治の西洋館を再現したという建物やレトロなインテリアの数々に、タイムスリップしたような不思議な感覚に。
お店の雰囲気にぴったりのクリームソーダを注文しましたが、実は今”インスタ映えメニュー”として若者たちに人気を集めているそうです。同じくレトロな見た目がかわいい「十番館プディングロワイヤル」は、赤レンガをイメージしたという四角いプリン。私好みのしっかりとした食感で、思わずにっこり。
喫茶以外にもレストランやバー、売店があり、シーンに合わせて利用できます。
海鮮やきそば:生香園
見て下さい、この具だくさんのやきそばを!!オーナーシェフの周富輝さんが兄の故・周富徳さんと一緒に考案したという元祖・海鮮やきそば。卓上に置かれた専用のチリソースが旨味をさらに引き出してくれます。
周さんはテレビの料理番組などでも活躍しながら、魚貝類をふんだんに使った広東料理をベースに、日本人の舌にもよく馴染む中華料理を確立しました。馬車道には本館と宴会にも対応できる新館があり、父から受け継いだお店は今年50周年。素材や調理法にこだわり”本物の味”を追求、厳しい料理哲学のもと、ここ馬車道で美味しい中華料理を作り続けています。
この味を求めて遠方からくるファンも多く、お客さんにも気さくに話しかけている姿が印象的でした。
ロイヤルミルクティー:サモワール
紅茶専門店ならではの良質な茶葉から濃厚に抽出し、たっぷりのミルク2層になった見た目も爽やか。泉区弥生台にある姉妹店のオリジナルケーキも紅茶にぴったり。グラスにたっぷり入っているので、ティータイムをゆっくり過ごせます。
トロトロ半熟卵のオムライスも名物ですよ。
天せいろ:板そば 蒼ひ(あおい)
店名にもなっている「板そば」が名物ですが、ランチタイムの1番人気はやっぱり天せいろ。つるんとのど越し抜群のおそばに、揚げたての天ぷらが海老、イカ、野菜2種付きます。
ふと見まわすと、昼飲みしている人もちらほら。「呑めるおそば屋さん」がコンセプトというだけあって、お酒やつまみの種類が充実!スタッフさんが”飲兵衛目線”で厳選したメニューの数々は、全国津々浦々の名産品やありそうでなかった串天ぷら(天丼のタレか塩でいただきます)など「全メニューが神7」という自信のラインナップ。どれを頼んでも間違いありません。
今の時期のおすすめは、そばつゆで食べる蔵王鴨鍋と岩中豚のしゃぶしゃぶ。〆はもちろんおそばでどうぞ!
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