旧日本海軍の戦艦「陸奥」に搭載された実物の砲塔が展示されている横須賀市汐入町のヴェルニー公園に、新たに陸奥主砲弾も飾られることになった。2017年に”陸奥主砲の里帰り事業”を主導した元統合幕僚長の齋藤隆さん(森崎在住)が会長を務める「横須賀海洋・IT教育の会」の働きかけで実現した。
全長約19メートル、重さ約100トンの主砲装填口の前面に、「41糎徹甲弾(センチメートルてっこうだん)」と呼ばれる主砲弾が置かれた。海上自衛隊横須賀基地内にあったものを無償貸与してもらい、移設費用は有志の寄付で賄った。
主砲弾は直径約41cm、全長約174cmで約1トンの重量がある。浅い角度で海面に突入するように発射された後に頭部が外れ、平頭弾となって水中を直進し、水線下の船体に被害を与える。
「(主砲弾は)単なる鉄の塊ではない。日本の近代化をリードした工業技術の粋が詰まっている」と同会の齋藤会長。陸奥主砲とともに、生きた教材としての活用をめざしている。
1920年に横須賀海軍工廠で進水した戦艦陸奥。太平洋戦争末期の1943年6月に原因不明の爆発で乗員1121人とともに瀬戸内海の桂島沖で沈没したが、1971年に引き揚げが行われた。ヴェルニー公園にある主砲は1トンの砲弾を36Km飛ばす威力を有していた。
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