横須賀市が防災啓発を目的に導入している「起震車」(地震体験車)を用いた防災講座が3月12日、北下浦コミュニティセンターで開かれました。東日本大震災の発生から11年。あわただしく日常を過ごしていると、どうしても防災意識が薄れがちになりますが、折に触れて話題にし、自然災害に対する備えや向き合い方を考えておくことが大切です。
自然災害から身を守るために知っておきたいこと
まずは、横須賀市の消防職員による地震に対する基本知識のレクチャーから。
マグニチュードは地震のエネルギー(地震そのものの規模)、震度は揺れの大きさ(強度)を表す単位であるとのこと。前者は7~を「大地震」、8以上を「巨大地震」として定義。後者は気象庁が震度階級を定めており、0から7まで10段階で表示されます。
三陸沖を震源とする東日本大震災のマグニチュードは9.0、最大震度である7を記録しています。ちなみに横須賀市の震度を観測する震度計は、光の丘(YRP)のNTTの敷地内にあるそうです。
揺れの大きさに翻弄、自分の意志で動けない
横須賀市の起震車は、市消防庁舎1階にあった体験型防災学習施設「あんしんかん」の閉館に伴う代替措置として2019年に3800万円で購入したもの。機動力を活かして地域の防災訓練やイベント会場に出向いて啓発活動を行っています。
実際の揺れを再現し、焦らずに冷静な対応を取れるようにすることを学ぶためのものであり、この日の参加者は東日本大震災と同等の震度7を体験。小学1年生の男児と一緒に参加した親子は「揺れの大きさに翻弄され、自分の意志で動けないことがわかった。とっさの事態にどう動くか、家族の決め事が必要」と感想を話していました。体験した地震の長さは1分弱でしたが、東日本大震災では強い揺れが2分以上も続いたそうです。
三浦半島には5本の活断層があるとされており、近い将来にマグニチュード7クラス(大正型関東地震)の地震が起こる可能性が否定できないと言われています。奇しくも3月16日夜に宮城県や福島県で震度6強を観測した地震があり、自然災害はいつどこで起きてもおかしくない状況にあることをあらためて痛感させられました。各自が覚悟を持つことが大切ですね。