蔵敷方面行「菅生バス停」に2月27日、ベンチが設置された。川崎市路線バス停留所ベンチ設置支援補助金を活用したもので、宮前区内では唯一の設置となった。今後は、申請した長沢自治会が清掃などベンチの維持管理をしていく。
設置されたベンチは木製で幅180センチ、奥行き35センチの3人掛け。木材の利用促進を通じた地球温暖化の防止を図るため、市と木材フォーラムなどでつながりのある小田原市のヒノキの間伐材を使用。UVカット・防腐処理が施されている。当日は、小田原市の森林組合員らがベンチを届け固定した。
長沢自治会の齊藤英男会長によると、向ヶ丘遊園方面行よりも、蔵敷方面行の方がスーパーや病院など、高齢者の利用者が多いという。「これで立って待たずに済む」と笑顔を見せ、「今後の維持管理について、町内で話をまとめていきたい」と展望を語った。
川崎市担当者は「地域の休憩所としても活用いただき、コミュニティの場にもなれば」と話した。
再来年度からの本格運用めざす
同事業は、市バス管理のバス停留所にはベンチが設置されている一方、多くの民間バス会社管理のバス停にはベンチが設置されていないという「不満の声」が契機となった。市は、地域と連携したバス停へのベンチ設置の可能性を探ろうと、先の補正予算に同事業を組み込み、申請した町内会・自治会が維持管理することを条件に補助する形とした。市内では全部で11団体からの申請があり、12カ所にバス停ベンチが設置された。
今年度の状況などを踏まえてスキームなどの実証実験とし、来年度にかけて地域で維持管理を行う際の課題などを検証。市は、2024年度から本格運用したい考え。