「大磯の玄関口」新たに
大磯駅周辺の再整備に伴い、旧建物の裏に移転し、建て替えられた「大磯町観光案内所」の竣工式が4月8日に行われた。完成を祝う関係者ら約20人が出席し、テープカットのほか、施設内覧会も実施された。
新しい観光案内所は木造2階建て。明治時代を彷彿とさせるレトロな雰囲気のデザインとなっている。棚やカウンターなどの家具類には、神奈川県産材のヒノキなどが使われているという。
1階はコミュニティプラザとして、観光案内の窓口が置かれているほか、イベント情報などチラシが配架されている。大磯産の薪を使ったテーブルやイスを置き、長年課題となっていた大磯駅前の人々の滞留スペースの不足をカバーする。2階は多目的スペースとなっており、観光協会の事務局が置かれている。屋上には太陽光発電設備を設置。売電はせず、案内所内で利用する電気をソーラー発電でまかなうという。

テープカットの様子
「明治」の雰囲気でもてなし大磯観光の拠点として
新しい大磯町観光案内所は、明治期の立憲政治の確立に貢献した人物の邸宅等が集中しているという大磯町の特徴を伝えるため「明治」をコンセプトに建設された。明治時代の喫茶店などに見られるアール(アーチ状の曲線)を、窓や外観などに採用。1階の外壁は木材とタイル、2階は左官で仕上げており、明治時代の建築にも使われている材料を用いたという。
式典に出席した大磯町観光協会の石井晴夫会長は「こんなに素敵な観光案内所ができた。皆さんへの感謝を返すためにも、『大磯観光の玄関口』として、最大限のおもてなしをしていく」と笑顔で意気込んだ。
敷地面積68・79平方メートル。いわた環境計画株式会社が設計、株式会社建築及川が工事を請け負った。建築事業費は4946万7000円。

神奈川県産材を使った内装
旧案内所は2025年夏までに取り壊す見通し。同じく建替えが予定されている旧案内所の隣の大磯駅前交番は2025年度内の取り壊しが予定されているという。