浦賀奉行所開設300周年企画展
浦賀奉行所開設300周年にあたる今年、節目を盛り上げようと深田台にある「横須賀市自然・人文博物館」では先月31日から、「浦賀からやってきた資料たち」と題した企画展示が始まった。
1720年12月、当時下田(静岡県)から西浦賀村(現在の西浦賀)に移転する形で設置された浦賀奉行所。将軍のお膝元である江戸へ出入りする船舶の検査や監督をする「海の関所」として機能し、領地内の村の支配運営を行ったほか、海防の拠点の役割も果たしてきた。今回の企画展では江戸時代から第二次世界大戦前の昭和が主な時代テーマ。奉行所のみならず周辺の地域に残る民俗資料の文献や生活用品、出土品など、同館所蔵品を中心におよそ170点が特別展示されている。
貴重な資料後世に
初日当日、同館学芸員と発掘調査を行った市教育委員会職員による史料解説を実施。江戸時代に干鰯と呼ばれる肥料の生産で栄えた時代背景や開国前後の書状、造船場が出来るまでの過程や設計図、旧家に残るひな人形などを解説。また浦賀港が第二次世界大戦後に引揚港として重要な役割を担ったことなども取り上げた。学芸員の藤井明広さんは「来館して実際に見て頂くことも大切だが、貴重な歴史資料を後世に残すことの大切さをさらに周りへ伝えてもらえたら」と呼びかけた。
午前9時から午後5時、月曜(祝日の場合は翌火曜、12月29日(火)から1月3日(日))は休館。入館無料。