緊急事態時の受入先にも
人と犬の共生センターの代わりになる施設が3月1日、新たに南成瀬に開設された。これにより災害などの緊急事態時に人と一緒に避難できず飼い犬の預け先への苦労の軽減を図る。運営は市内で保護犬活動を行っている小さな命を守る会(其木洋子代表)。
災害時などに開設される避難所には、飼い犬の飼育スペースが限られるなど困難が多い。預け先がないため避難所に向かえず、災害に巻き込まれてしまったケースも過去の災害時にはあった。
同会では約5年前から譲渡会や動物病院を通じて署名活動などを行うなど、公的な施設開設を望んでいたが、このほど理解を示した会員の好意により同会独自の開設が実現した。
新たな施設は会員の住宅を改築したもの。敷地面積が広くなり、緊急事態時などに30頭の犬を保護できるスペースを確保した。またお風呂やトリミング設備に加え、診察台も完備。同会の主治医が在宅する日数を増やし、今までのワクチン接種や血液・尿検査だけでなく、応急手当等の治療もしていく。
コロナ明けにはシニアデーを設けて施設を開放予定
高齢者によるペット事情においては、飼い犬を病院に連れて行けないなど経済面や健康面による不安が増えるという。さらに飼い主が孤独死した際に、ペットの引き取り手がなく、保護犬になるケースも増えている。「飼育が難しい高齢の方々に来てもらい、犬と触れ合うことで元気になったり、顔見知りを増やして孤独になるのを防ぐ手助けになれば」と其木代表。コロナ禍が明けた際には週1日程度のシニアデーを設けて施設を開放する予定だ。
同会は1998年に其木代表が設立。今は約120人のボランティアスタッフと保護犬の預かりや里親探しなどを行い、市内の殺処分ゼロの継続に協力している。問合せは其木会長【携帯電話】090・7197・7982へ。