複数の自治会・町内会が同機種の無線機を使用することで、被災時に情報を共有できるようにしようという試みが麻生区内で始まっている。昨年12月には4自治会、町内会が集まり、会合が開かれた。
参加したのは互いに隣接する片平町内会、五力田町内会、小田急さつき台自治会、古沢町内会の会長や自主防災リーダー。4地区では申し合わせて同機種の無線機を購入している。
同機種を使用するメリットは、各地区に割り振られてチャンネル番号内での交信とともに、チャンネルを他地区の番号に合わせれば、他地区との交信も行える点にある。
被災時、避難所が開設されると各避難所に設置されている無線機で区本部と、各避難所間を連絡し合うことができる。今回の会合で話し合われたのは、特に避難所が開設される前の混乱時について。どのような情報を集約し、発信するか、様々な意見が出た。
地区内のけが人の有無や道路、水道などライフラインの確認などを隣接する地区が共有することで、「少しでも多くの人を助けられるのでは」と参加者の一人は話す。
そのほか、避難所開設後は物資情報など地区間で共有できるのではといった意見もあった。
ルール作りに課題
無線使用のルールや台数の整備などの課題点もあがった。「多くの情報を伝えようと必死になり、一つひとつの交信が長くなってしまう。効率よく伝えるためのルールが必要」との声も。また2600世帯以上が加盟する片平町内会では無線機2台を保有する。「広いエリアをカバーするためには台数の整備も必要。町内会に持ち帰り、話し合いたい」としている。
呼び掛け人の一人で小田急さつき台自治会自主防災組織の土屋隆俊本部長は「今回、片平町内会も参加してもらい、4000世帯を超えるエリアをカバーできるようになった。課題も多いが、協力しあいながら、よい仕組みにしていきたい」と話している。