今年1月から放送が始まったNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。源頼朝に仕え、初期の鎌倉幕府を支えた13人の家臣の活躍を描く内容に、神奈川県も関連スポットを掲載した特設ウェブページを開設するなど情報発信に力を入れている。大磯・二宮・中井町にも存在するゆかりの地を紹介する。
県の特設ページ「鎌倉殿×13人の御家人たち『ゆかりの地』めぐり」では、県内の関連スポットや関連する人物などを紹介。大磯・二宮・中井町では計3カ所が掲載されている。
二宮町の知足寺
二宮町の知足寺は、鎌倉時代の仇討ちを描いた軍記物語『曾我物語』の曽我兄弟ゆかりの地。兄弟の姉・花月法尼(二宮の領主・二宮朝定の妻)が開基とされ、兄弟が使用したと伝わる乗鞍や駒止石、兄弟の墓がある。同寺の相馬宣正住職は「ドラマを通じて町を訪れる人が増え、地域の活性化につながれば」と期待を寄せる。
大磯町の延台寺
大磯町の延台寺も、曽我兄弟の兄・十郎祐成と恋仲だった虎御前が開いた寺院として掲載されている。同寺には曽我兄弟座像や虎女供養塔、十郎が刺客に襲われた際に身代わりになった「虎御石」などが安置されている。なお虎御前関連では鴫立庵に落髪前の姿をかたどった木像、化粧坂松並木に虎御前が化粧をする際に使ったとされる化粧井戸が残されている。
中井町の五所八幡宮
中井町の五所八幡宮は、北条政子の安産祈願の加持祈祷が行われた場所として紹介されている。吾妻鏡によれば頼朝は政子の安産祈願のため、1192年8月に鶴岡八幡宮と相模国内の寺社27カ所に神馬を奉納したという。この寺社には大磯町の王福寺や高麗寺(現在の高来神社)、柳田の惣社(六所神社)なども含まれている。なお六所神社は1180年の「富士川の戦い」の戦勝祈願や論功行賞が行われた場所とされ、戦の勝利を感謝して頼朝が御社殿を造営したと伝えられている。
今後の展開に期待
放送中のドラマでは、第1話から伊東祐親や工藤祐経など曾我物語に関わる人物が多数登場している。曾我物語は領地の相続争いで敗れた祐経が祐親を恨み、曽我兄弟の父・河津祐泰(祐親の長男)を暗殺したことが仇討ちのきっかけとなる。第2話で祐経が祐親・祐泰を襲撃するシーンが描かれており、曽我兄弟や虎御前らが登場するかなど今後の展開に期待が高まる。