現在放映中のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。三浦半島ゆかりの人物が登場していますが、その1人、主人公・北条義時の盟友である三浦義村。第1話から登場し、作中では存在感を放っています。
どのような歴史をたどった人物だったか……はドラマを楽しんでもらうとして、そんな義村の墓が三浦市南下浦金田にあるのをご存知でしたか?
いざ、金田!
まずは義村の墓へのアクセスですが、専用駐車場はありません。三浦海岸駅から海34系統「剱崎」もしくは海35系統「三崎東岡」行きに乗って、10分ほど。「岩浦(いわぶ)」バス停で下車してください(三崎港方面からも同系統のバスが出ています)。降車したら海を背にして右斜め向かいに目をやると、「三浦義村の墓」の文字が!では、横の階段を上がってみます。
義村の墓は2つある!?
階段を上り切った先は広場のような庭のような開けた場所があり、奥に見える階段をさらに上へ。ようやく最上部へ着くと、三浦市設置の案内板が出迎えてくれました。
義村の人物像をインターネットで検索してみると「冷徹」や「謀略の者」などと評されていることが多いのですが、ここには「領内の開拓をいつくしみ領民に慕われ……」との記載。知られざる一面を垣間見たような気持ちになり、ますます興味が湧いてきます!
さてさて、肝心のお墓は?案内板の奥にいびつな石が積まれているのが見えます。
これが旧墓。関東大震災の時、崖下に落下して破損してしまい、このような石塔になっているそう。
そして、地元有志らによって旧墓のそばに建てられたのが新墓。漁港を見下ろす高台にあり、周囲は藪に覆われているせいか、ときおり通りを走る車の音とトンビの鳴き声が聞こえてくる以外はとても静かです。
守り本尊の八坂神社
じつは、新墓のすぐ横には「八坂神社」の鳥居が立ち、歩を進めると社殿がひっそり佇んでいます。
浜田勘太氏著『南下浦の探訪記』によりますと、明治20年編の「金田村日誌」の記事の中で、「八坂神社ハ平六兵衛ノ守本尊ニテ岩浦ニ安置シタルハ即チ是ナリ」ということが書かれています。
由緒など詳しくはこちらのコラムをご覧ください
https://www.townnews.co.jp/0502/2013/07/18/197002.html
https://www.townnews.co.jp/0502/2013/08/01/198874.html
(三浦の散歩道 第43・44回)
ここに出てくる平六とは義村の通称で、神社は守り本尊ということのよう。ならば、あわせてお参りしない手はありません。
なお、八坂神社は無人で社務所はありません。御朱印をいただく場合は、兼務神社の白山神社(南下浦町菊名149)へどうぞ。岩浦バス停から三浦海岸駅方面へ5つ目「白山神社」バス停下車、徒歩4~5分でつきます。参拝記念に足をのばしてみては。
そのほかに、旧墓・新墓にほど近い福寿寺(南下浦町金田2062)の開基でもある三浦義村。愛用したという鞍や鎧、脇差などが残されています。
https://www.townnews.co.jp/0502/2013/09/06/203072.html
(三浦の散歩道 第46回)
岩浦のバス停から松輪方面へ向かって300mほど、ソメイヨシノの並木道が続きます。とてもきれいでお花見散策にぴったり。
また、毎週日曜日は金田湾の朝市が午前5時50分から開かれており、新鮮な海の幸や地元野菜などが並ぶのでおすすめです!