児童・生徒の教育的ニーズに応じた指導・支援を行う「特別支援学級」が、茅ヶ崎市立柳島小学校と茅ヶ崎市立鶴が台中学校で、4月から新たに開設されました。これにより、市内小学校19校中11校、中学校13校中8校に設置されました。茅ヶ崎市教育委員会は、「市の総合計画に基づいて、2030年までに全校への整備を目指します」と話します。
特別支援学級は、障害による学習上または、生活上の困難を克服するために設置されるクラスです。10年前の同級に在籍する全小学校の児童は99人、全中学校の生徒は63人でしたが、現在は児童214人、生徒101人と増加しています。
市教委は「障害のある児童や生徒が増えたというよりも、障害などに関する保護者の意識が高くなり、同級の開設により、子どもの学ぶ環境の選択肢が広がることから、近年、入級の希望者が増えている状況」と分析します。
2017年には特別支援学級の開設に関する市議会への陳情、市教委にも請願が出されるなど、市民から要望の声があがっていました。
こうした状況を受け、市教委は児童や生徒の状況を考慮した上で、2020年に小学校1校に、今春には小・中学校それぞれに1校ずつを設置する運びに。市では「2030年度までの全校への整備」を教育基本計画に盛り込んでいます。
柳島小学校、鶴が台中学校にはそれぞれ、「知的障がい級」と「自閉症・情緒障がい級」が設置。合わせて9人の児童・生徒が入級します。開設にあたって市教委は、昨年度から教室の確保や授業環境の整備のほか、教諭への研修、学習・生活指導の補助を行う会計年度任用職員〝ふれあい補助員〟の配置など、ハード・ソフト面ともに準備を行ってきました。
市教委は「子どもを特別支援学級に入級させたいが、学区内の学校に設置がないため、遠くの別の学校に通わせざるをえないという保護者からの声がある。これについては、さまざまな状況を考慮しながら対応していく。特別支援学級の増加も含め、個別に対応できるサポートスタッフの適切な配置など、多様な学びの場を提供し、より良い教育環境を整えていきたい」と話しました。