「葬儀会社」とひとくくりにしても、大手から個人事業主までその規模はさまざま。しかし、そこで働く人に共通しているのは他人の「死」と直面していること。今まさに息を引き取った人と、その家族に最も近くで寄り添うのが葬儀会社の「人」だといえます。
「私の時もお願いね」その思い出に、感極まる
神奈川県綾瀬市の家族葬専用ホール「ゆかりえ」に勤務する小川修さん(39※取材当時)は、葬儀業界に入り10年になります。専門性の高い葬祭業について学びを深め、現在は、地域の葬儀会社、ふじみ式典株式会社で「マネージャー」を務めています。
神奈川県の城下町、二宮金次郎のふるさと小田原市栢山に生まれた小川さんは、5人きょうだいの母子家庭で育ちました。高校を卒業して町工場に就職したもののサービス業への憧れを抱き退社。高校時代にアルバイトをしていたファストフード店で正社員に登用され、29歳で新天地に職を求めました。そこへ導いたのは祖母の「死」と「葬儀」でした。
「葬儀会社に興味があったわけではありませんが、当時のことが印象に残っていて。同じサービス業でも、じっくりと接客できそうだと感じました」。入社後、葬儀の前に遺体の「お迎え」があることを知り、それは病院に限らず、事件や事故、自死、孤独死の現場にも及びました。
そんな小川さんは、あるご家族との思い出を語り始めると、途端に感極まり、大粒の涙を流しました。その感情の高ぶりは今までに経験がなく、それには本人も驚いていました。
ある日、若い男性の葬儀を担当した小川さんに故人の父親が強くあたり、最後まで張り詰めた空気で葬儀を終えました。それからほどなく奥様から夫の訃報が入ったといいます。遺体を迎え、奥様と打ち合わせをはじめようとすると、「夫は小川さんのことをとっても褒めていた」と、打ち明けられたといいます。まったくの予想外だったそうです。
その奥様からは「私の時もお願いするわね」と託されているとも。「嬉しいですが、できれば長生きしてほしい」。
樹木葬の開発担当も
小川さんにはもう一つの横顔があります。それは樹木葬の開発担当です。海老名市と伊勢原市のお寺の傍らに整備させてもらった樹木葬墓は、お客様の悩み事に応えるために新設した事業で、これまでの葬儀で担当をしたご家族にも喜ばれています。
同社の樹木葬墓は、海老名市と伊勢原市のお寺の片隅に整備し、シンボルツリーの周辺に小さな墓地プレートが並ぶ樹木葬墓で、おひとり様や終活で子どもに負担をかけたくない方など、たくさんの要望の声を受けて誕生した新しいお墓のカタチです。「お客様のために」と考え、葬儀担当の傍らで更なる開発営業にもあたっています。
葬儀業について小川さんは「ご家族の数だけ正解がある仕事で、常に自分を成長させてくれる。これからも毎日誠実に取り組んでいきたい」と話していました。
小川さんへの葬儀の相談依頼は随時、受け付けています。
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