妻田薬師(厚木市妻田西)で10月10日(月・祝)と12日(水)の2日間、12年に一度の寅年に合わせた本尊薬師如来像の半開帳が行われる。両日、説明員による文化財の解説が行われ、10日には160人以上が参加する稚児行列を実施。12日は、大法会や一般参拝、奉納余興など、妻田薬師保存会(小島一郎会長)による縁日が開催される。
妻田薬師は、古くから目の病に効くとされ、地域から信仰を集めてきた。その本尊薬師如来坐像は寄木造りの彫眼の像。像底部には1569(永禄12)年の年紀があり、武田信玄との縁も記されるほか、頭部は室町時代の旧像のものと考えられ、歴史的価値の高い作例として、市指定文化財にも指定されている。
仏堂・薬師堂は1758(宝暦8)年に再興されたもので、山号や宗派、本寺など不明。もともとは古義真言宗の白根山東光寺遍照院という別等寺が管理する仏堂で、現在は、地元住民が組織する同保存会が管理・運営する。境内には、厨子や木造十二神将立像をはじめ7つの市指定文化財と、県指定天然記念物のクスノキ。ほかにも貴重な文化財が所存する。
稚児行列ほか
薬師如来は、12年に一度の寅年に半開帳、60年に一度全開帳が行われ、今年は半開帳の年。保存会や市教育委員会により関連行事が行われる。保存会では「自治会をはじめ、交通指導員や消防団、交通安全母の会など地区の団体の協力で準備が進んでいます。ぜひ妻田薬師にお越しください」と話す。