【逗子市小坪 須賀神社・森山神社】1千年以上続く33年に一度の神事「行合い祭り」まであと5年、もう5年

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【逗子市小坪 須賀神社・森山神社】1千年以上続く33年に一度の神事「行合い祭り」まであと5年、もう5年
氏子総代会の総代らが意気込みを語った。かつては祭りの期間中、住民が葉山に行くため小坪中の家が留守になったという(撮影場所は天照大神社)

奈良時代から33年に1度、連綿と続いている「行合祭」まで5年となった。逗子市小坪の須賀神社から、祭神素戔嗚尊(スサノオノミコト)が天王輿で渡御し、葉山町森山神社で奇稲田姫命(クシナダヒメノミコト)のもとで7日間(明治以後は3日間)滞在するという神事で、1280年以上も継承されている。2028年の大一番に向け、関係者たちは準備を進めている。

小坪・須賀神社

 祭は祭神素戔嗚尊(スサノオノミコト)を載せた神輿を小坪の氏子らが葉山まで渡御し、白装束に身に包んだ森山社の氏子が担いで本殿に奉安する。その後、神事等を経て小坪衆に返す。

 「お神輿ができて今年で130年。修理する時期に来ており、行合祭までに何とかきれいにしたい」と話すのは、氏子総代長の丸山治章さん。修繕費をまかなうべく、各町内のほか広く一般から寄付を募るという。「伝統行事を次世代につなぐためにも、多くの方にご協力いただければ」。前回の様子を知る古老も多く、「話を聞きながら準備に着手した所。ただうちは漁師町なので、おそらく直前になってみんな焦りだし、なんとか形になるのでは」と苦笑いしながら話した。

一色・森山神社

森山社の本殿前で氏子総代会(鈴木洋祐会長=前列中央)の役員ら。毎月の清掃活動のほか、役員会などで準備を進めている。

 森山神社では、1996年に行われた前回の行合祭にあわせて神輿を〝復元〟した。氏子総代会によると、「かつてはあばれ神輿で例大祭の時には『家に突っ込んでもお咎めなし』だったそう。ただあまりにひどくなってだいぶ昔、海岸の近くに埋めた話を聞いたことがある」という。

 長らく夫婦神輿が揃うのは悲願だった。ただ、前回は工期の関係で担ぎ棒などの漆塗りが間に合わず、白木のままだったというエピソードも。「祭が終わったら工房へ返し、翌年きれいな漆をまとって帰って来た」。5年後に迫る再会は前回よりもきれいな姿で迎える。また、三十三年大祭にあわせて一色会館のリフォームも持ち上がっている。氏子会の鈴木洋祐会長は「この町内にとって、神社も会館もとても大事な場所。だいぶ古くなっているので、町内会の皆さんと話し合って決めていきたい」

前回の行合祭での神輿は白木のままだった(森山神社氏子総代会提供)

 2028年まであと5年、もう5年。関係者たちは静かな情熱を胸に、準備を進めている。森山神社のホームページでは、前回の様子を収めた貴重な映像を見ることができる。

住所

神奈川県逗子市須賀神社

公開日:2023-01-01

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