表丹沢の稜線上にあり廃屋となっていた新大日茶屋を解体しようと、地元有志が立ち上がり、昨年11月に任意団体「表丹沢登山活性化協議会」(神野雅幸会長)が発足。ボランティアを募り、12月17日と18日の2日間にかけて、解体作業を行いました。
倒壊の恐れがある新大日茶屋を有志らで解体
新大日茶屋は以前から廃屋になっていて、風雨にさらされ老朽化が進み倒壊寸前の状態。登山者からも倒壊の危険性が指摘されてきました。そうした状況を何とかしようと木ノ又小屋の神野さんや花立山荘の高橋守さんを始め、作治小屋、滝沢園など山小屋関係者らが協力して、同協議会を立ち上げました。新大日茶屋と表丹沢への感謝の気持ちを込め、解体事業を「表丹沢サンクスプロジェクト」と名付けて活動をスタート。
17日にはボランティアら34人が参加。作業中に建物が倒壊しないよう補強を施した後、建物内部に入り、分別しながら廃材などを搬出しました。薪として活用できそうな一部の木材はチェーンソーなどで細断し、歩荷ボランティアらが近隣の山小屋の木ノ又小屋と花立山荘へ運搬。18日は26人が参加して外壁のトタンなどを剥がし廃材などを整理。小屋を倒した後は、風で部材などが飛ばされないよう、養生して作業を終えました。
解体コストを抑えるため賛同者から寄付を募集
本来小屋の解体は所有者が行うものですが、同協議会が新大日茶屋について調べてみると、所有者に解体の意思はあるものの大病を患っていることもあり、自ら解体に乗り出すことができない状況だと判明。専門の業者に依頼すると多額の費用が発生するため、同協議会では解体や荷降ろしにボランティアの力を借りることにし、費用の一部は所有者も負担しているそうです。
同協議会では「所有者は多くの人に慕われた人物で、丹沢を愛する私たちの先輩。楽しく作業をしながら、なるべく費用を安価におさえて進めたい」と話しています。現在、解体に必要な資機材の購入費用を捻出するための寄付を募集中。振込みによる寄付は、ゆうちょ銀行記号番号10990口座番号26304681口座名は表丹沢登山活性化協議会。