懐かしのあの歌を歌いたい、好きな歌で上達したい
カラオケを始めたい、もっと上達したいという人がいま増えている。若い頃に口ずさんでいたあの歌、テレビでよく流れていたあの歌。思い出のあの歌・・・好きな歌があれば誰でも始められるのがカラオケの魅力だ。歌は独学よりも、やっぱり指導のプロに教わるのが上達の早道。神奈川県央エリアで知られているスクールといえば、「厚木歌謡スクール」だ。
以前はビクター歌謡教室厚木歌謡スタジオの名前で親しまれ、受講生の年齢も幅広く、60歳代から90歳代までのメンバーがハツラツと歌う。厚木や海老名、伊勢原など幅広いエリアから生徒が通っている。
- 人気のレッスンについて、小島勇先生に話を聞いた。
楽譜も用意のマンツーマンレッスン、脳トレにも
厚木歌謡スクールの一つ目の特長は、まず歌いたい曲が自由に選べるということ。たとえ楽譜がなくても、小島先生が用意してくれるから大丈夫。1回45分のマンツーマンのレッスンは、1回3千円で2回目以降2000円。先生がピアノを使って伴奏などを合わせてくれるほか、呼吸の仕方から教えてくれる。
丹田呼吸で脳ホルモン放出
「新しい曲を覚えながら、丹田呼吸で声を出す。丹田に刺激を与えて声を出すと、アドレナリンやドーパミンといった脳ホルモンがいっぱい出てきます。それがやる気につながり、気持ちも前向きになるのです。上達する楽しさも味わえる、まさに至福の時間ですね。全身運動でもあり、脳トレや認知症予防にもなるんですよ」と小島先生。この丹田呼吸は横隔膜や腹筋を使った、いわば有酸素運動だ。血行が良くなり、歌い続ければ若々しくもなれる。歌詞を暗記することで物忘れの予防にもつながり、感情を込めて身振り手振りを交えて歌う歌うことで、脳は活性化され認知症の予防にもつながるのだ。
説得力のある発音から、歌詞に込められた思いまで、自分のものに。
声の質は人それぞれ。高い声や低い声、甲高い声や重い声の人もいる。さまざまな個性の声を響きの良い発声にするためにまず必要なのは、正しい姿勢から。そしてレッスンでは譜面を確認しつつ、ピアノの音に合わせて音程をチェック。キーボードで譜割りを確認するなどして、1人ひとりに合わせて丁寧に進められる。口の開き具合や様々な種類の発音、さらにはブレスの取り方を学び、説得力ある発音を身につける。一本調子にならないようメリハリも大切だ。詩に込められた物語や思いを自分のものにするため、歌詞を朗読したり書いて覚える生徒もいる。
感染防止徹底、カラオケルーム完備
特筆すべきなのが、スクールには専用のカラオケルームがあること。居心地よく、終日歌い放題で自主錬を重ねられるのが嬉しい。建物は防音建築で大音量での練習もOK。自宅やカラオケなどでは体感できない歌を磨ける。「努力をすればするほど結果はついていきます。がんばりましょう」と小島先生は話す。
初めてマイクを握るという人も緊張しやすい人でも、すぐに人の前で歌うことに慣れ、リラックスして歌えるようになる。何より和気あいあいと歌ったり聴いたりしながら、同じ趣味の仲間ができるのが醍醐味。長いコロナ禍で人と話す機会や外出の機会が減っていた分、こうした環境は貴重だ。
新型コロナ対策として、空気清浄機を備えており、アクリル板などで感染防止はばっちり。思い切り練習できる環境が備わっている。
ステージで光を浴びる…発表の場も
スクールではステージでの発表の機会もあり、観客を感動させるための心構えや目線振る舞いなども丁寧に指導してくれる。場数を踏み、経験と自信を身につけるのだ。受講生が練習の成果を発表する、大きな節目のひとつが厚木市歌謡協会の発表会だ。プロのゲスト歌手を含め100人ほどが参加し、ステージでスポットライトを浴びて歌う貴重なチャンス。この日は小島先生もマイクを握り「北物語(加門亮)」を披露した。
「この道に入ったのは、実は病がきっかけなんです」。小島先生は元々県央の自治体の公務員だった。当時の激務の影響か、食べても食べても痩せてしまう状況に。医師の勧めで好きだったお酒はストップ。それでも行きつけのお店で好きな歌を歌い続けていた。
ある日歌声を聞いた人が「本格的な指導を受けたら」とアドバイス。小島さんはプロの指導を受けながら腹式呼吸も学び直した。歌を極めようとするうちに体調はみるみる回復。体つきもいつしか元通りになり、その効果に驚いたという。
「昼間からカラオケなんて」という声も耳にしたが、動じなかった。そして心に決めた。「生涯を通じて歌の素晴らしさをもっと多くの人に広めよう」。公務員を辞め、苦学の末にビクター歌謡教室の指導資格を取得。自宅敷地に専用スタジオまで完成させた。地域に親しまれもうすぐ20周年の節目。「レッスンで多くの人が笑顔になるのが、やりがいですね」と小島さんは目を細める。
体験レッスンも気軽に
スクールには厚木市内から通う人が多く、マイカーでも来られる。国道246号「妻田」交差点を西側に入り、3つめの信号を入ったところ(林妻橋近く)にある。海老名市、愛川町や清川村、伊勢原からも通いやすい立地なので、気軽に問い合わせてレッスンを体験(1000円)してほしい。レッスンは歌に関する事だけでなく、どんなことでも質問できる雰囲気。世間話も含め、小島先生とのおしゃべりだけでも、健康につながりそうだ。
- カラオケに興味がある人も、ハツラツとした毎日を送りたいという人も、きっと「こんな教室を探してた」と思うだろう。