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【イベントレポ】トヨタの技術者から学ぶ科学の面白さ。茅ヶ崎市青少年会館で開催された科学教室の様子をレポート

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【イベントレポ】トヨタの技術者から学ぶ科学の面白さ。茅ヶ崎市青少年会館で開催された科学教室の様子をレポート

2023年10月15日(日)、トヨタ自動車株式会社の技術者を中心に構成されるトヨタ技術会のメンバーが講師となって、子どもたちの科学技術に対する興味や夢を育むことを目的にした科学教室『科学のびっくり箱!なぜなにレクチャー』が茅ヶ崎市青少年会館で開催されました。

【2022年鶴嶺公民館で開催された科学教室の様子はこちら】

トヨタの技術者から科学技術を学べる大人気の科学教室

『科学のびっくり箱!なぜなにレクチャー』は子どもたちの理科離れが懸念される中、”モノづくりの大切さ”や”科学の楽しさ”を伝えるトヨタオリジナルのプログラムとなっていて、使われる工作キットも子どもたちの理解が進むようにと独自に作られています。

トヨタ技術会の皆さんが講師

お揃いのエプロンを付けた講師の皆さん。普段の仕事はモーターの設計や製品の検査などを担当されています

2023年10月15日(日)に茅ヶ崎市青少年会館で行われたのは『お魚ロボット』をつくり、魚が泳ぐ原理が学べる講座。日本が世界に誇る企業のトヨタの技術者から科学技術を学べる機会とあって、「定員を大きく超える102名の子どもたちが応募してくれました」と青少年会館の中原館長。

大人気の科学教室

講座には小学校4~6年生21名が参加

講座はすぐ工作を始めるわけではなく“実際の魚がどんな風に泳いで推進力を獲得しているのか”と原理を考えることからスタート。

魚役と水役の講師が互いに押し合う実験動画を見て、それぞれがどのように動くのかを考える子どもたち。映像でイメージを膨らませながら、魚が進む仕組みの“作用・反作用の法則”を楽しみながら学びました。こうして、まず知識を身に着けてから工作に取り組むことで、子どもたちの理解も進むのでしょう。

講師の安江さん

原理やモノづくりの説明をする講師の安江さん

試行錯誤しながらのお魚ロボットづくり

お魚ロボットづくりでは工程ごとに区切って、ひとつずつ丁寧な説明が行われます。細かい作業も多いので、プロジェクタで講師の手元を拡大して説明する工夫がされており、子どもたちはプロの手さばきを確認しながら作業していきます。
途中、ホチキスの使い方を説明する場面も。ホチキスなんて誰でも使えるだろうに…と思ったので、その理由を講師の安江さんに聞いてみると「慣れ親しんでいる文房具でも意外と正しく使えていない子どもが多いんです。魚の胴体パーツは少し厚みがあるのでホチキスを正しく使えていないと留まらない。安全・正確にモノづくりを行うためには正しい道具の使い方もきちんと理解する必要があるんです」

ホチキスを使う参加者

正確・安全なモノづくりのために正しい道具の使い方を覚えることも大切

子どもだけで作業するには少し難しかった様子で、いよいよ乾電池を入れて動きを確認する段になると…動かないお魚、動きがぎこちないお魚がチラホラ。ちゃんと動いているように見えても水に浮かべてみると全然進まないお魚も。

お魚の動作確認

乾電池を入れてスイッチオン。ちゃんと前に進むかドキドキの一瞬

しかし、こうした事態も織り込み済み。「尾びれが動かない、動きが悪い場合は配線の位置を少し変えてみよう」と子どもたちに呼びかけて、自分のお魚を調整する時間となりました。

お魚を調整する参加者

動きがスムーズになるよう配線や尾びれの位置を調整

安江さんは「今日のように子どもだけで作業をすると上手く動かない子は必ず出てきます。なので、調整する時間を設けて“どこを直せば良いのか”を考えてもらう時間にしています。単純に動いた・動かなかったではなく、原因を追求して試行錯誤することがモノづくりには欠かせません」

講座に参加した小学5年生の男の子は「配線が細かくて難しかったです。最初は全然進まなかったけど、配線を少し直しただけで動きが良くなりました」。小学6年生の男の子からも配線の難しさの声が聞かれましたが、「自分の調整次第で動きが変わると言っていたので、家に帰ったら色々工夫してもっとスムーズに動かせるよう工夫してみたい」とモノづくりへの興味が刺激された様子でした。

青少年の理科離れは“体験”が歯止めに

今回の講座を企画した青少年会館の相沢さんは「今の子どもたちの興味はプログラミングなどに向いていて、工具を使って工作をする機会が減っていると感じます。今回の講座は実際に工具を使って考える経験をしてもらうことが狙いでした。子どもたちには人からやり方を教えてもらうだけでなく、モノづくりの大切さを知ってもらい、クリエイティブ精神が研ぎ澄まされていって欲しいと思っています」

青少年の理科離れには実際に科学を体験できる機会が今後のモノづくりには大切なのかもしれません。こうしたイベントが積み重なり盛り上がっていくと、茅ヶ崎出身の科学者や宇宙飛行士がまた誕生!そんなことを思わず期待してしまう科学教室でした。

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住所

神奈川県茅ヶ崎市十間坂3丁目5-37 茅ヶ崎市青少年会館

公開日:2023-11-09

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