一般社団法人4Hearts(那須かおり代表理事)は、子どもたちが障害など社会の多様性を体験し学ぶことができる教材の開発を進めています。現在、クラウドファンディングを実施中で、当初の目標金額は2日で達成。現在は「ネクストゴール」を目指して活動を続けています。
同団体は2020年に発足し、茅ヶ崎を拠点に活動します。代表の那須さん自身が聴覚に障害があることから、聴覚障害者が抱える社会問題の解決を目指しているほか、「スローコミュニケーション」を掲げ、障害の有無や立場の違いを超えて互いを思いやるコミュニケーション法を考える催しも開催しています。
そうした活動の一つが、21年9月に茅ヶ崎図書館で開催した「こころで聴く図書館〜失われた魔法書を探せ!〜」。子どもたちが3人1組となり、ヘッドフォンやアイマスクで「見えない・聞こえない・話せない」など、コミュニケーションに不便を感じる状況を作ったうえで、ハンデを補い合いながら指定された図書を借りるまでを体験し、どうすれば「誰もが使いやすい図書館」になるかを考えました。
保護者から「子どもが積極的に障害のある人を助けるようになった」といった声が上がったほか、他の図書館からも問い合わせが寄せられるなど好評で、2月12日には第2回が実施されました。
同団体では「イベントの知見をより広く活用したい」と、教材として教育現場に提供することを決定。1月29日からクラウドファンディングを開始しました。
集まった資金は「冒険の書」と呼ばれるワークシートの作成に活用される。当初の目標は2日で達成し、現在は「ネクストゴール」の100万円を目指しています。期間は3月2日(土)までで、増額分は補助動画の制作などに充てる予定だそうです。
那須さんは「この教材は大人が教えるのではなく、子ども同士で考え学ぶことに価値がある。多くの子どもに体験してもらいたいので、ぜひ協力してほしい」と話しています。詳細はクラファンのサイトから。