浜降祭の開催について
浜降祭で唄われる茅ヶ崎甚句
「どっこい、どっこい」「よい、よいと」。浜降祭で威勢良く響く相州神輿独特の掛け声はよく知られていますが、『茅ヶ崎甚句』はご存じでしょうか。実は「名前だけは聞いたことがある…」という方が多いのではないでしょうか。
甚句とは江戸時代に生まれたとされ、“七・七・七・五”の音数律に、それぞれの地域に合わせた歌詞が当てられた日本の伝統的な歌謡形式のひとつです。
茅ヶ崎甚句の貴重な音源データを公開
多くの人にとっては浜降祭などでしか聞く機会がないと思われる『茅ヶ崎甚句』ですが、「たくさんの方に知っていただけるなら」と神輿の担ぎ手の方より『茅ヶ崎甚句』の音源データをいただくことが出来ました。
粋で味わいのある唄い声に加え、掛け声やリズミカルな神輿の鐶(通称、たんす)の音も入っているので、神輿を担いでいる現場にいるような臨場感に溢れたものとなっています。
担ぎ手たちが調子(リズム)を合わせるために唄う『茅ヶ崎甚句』を覚えておけば、神輿の担ぎ手と一体となって、浜降祭の雰囲気をより味わえるに違いありません。
浜降祭まで1ヵ月。これを機会に茅ヶ崎甚句をマスターしてみてはいかがでしょうか。
茅ヶ崎甚句を聞いてみよう!
茅ヶ崎甚句の歌詞を紹介
サァ~
さあさあ皆様 お歌いなされ
歌じゃ御器量は 下がりゃせぬサァ~
こぼれ松葉を あれ見やしゃんせ
枯れて落ちても 二人連れサァ~
白鷺みたいな お方に惚れて
烏みたいに 苦労するサァ~
沖の烏帽子に ドンと打つ波は
愛しいあの娘の 肝定めサァ~
惚れてみやしゃんせ 南湖の方に
殺し文句の 程の良さサァ~
南湖名物 天王桜
濱降来いよと 笑い散るサァ~
お前百まで 私ゃ九十九まで
共に白髪の 生えるまでサァ~
米のなる木で 作った草鞋
履けば小判の 跡がつくサァ~
鳴くな矮鶏鳥 まだ夜は明けぬ
明けりゃお寺の 鐘が鳴るサァ~
沖の姥島が 和潮に乗って
真鶴岩まで 辿り着くサァ~
惚れに惚れこんだる 濱降祭
南湖生まれの 神輿こぶサァ~
南部と御祭主 盃交わし
出たか禊の 触れ太鼓サァ~
咲いて見事な 小田原つつじ
元は箱根の 山つつじサァ~
小出山から 南湖に来らいた
明王太郎の 千鳥破風サァ~
私ゃ茅ヶ崎 荒浪育ち
浪も荒けりゃ 気も荒いサァ~
文月入れば 眠るに寝れず
夢の中とて 鈴響くサァ~
私ゃ茅ヶ崎 南湖の育ち
仕上げ師腕と横鉢巻きで 五尺の身体は赤銅色
よいさこいさの掛け声で 姥島おろか八丈も
島はおいらの稼ぎ場所サァ~
茅ヶ崎名物
茅ヶ崎名物左富士 上り下りの東海道
松の緑と吹く風は 昔も今も変わらねど
富士の高嶺に男伊達 相模男の晴れ姿