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【イベント報告レポ】こどもとオトナが本気で築き上げた、小さなまち。「ちがさきこどもマルシェ」大盛況のうちに終了!

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【イベント報告レポ】こどもとオトナが本気で築き上げた、小さなまち。「ちがさきこどもマルシェ」大盛況のうちに終了!

2024年10月20日(日)、茅ヶ崎市役所前広場(茅ヶ崎市茅ヶ崎)で「ちがさきこどもマルシェ」(主催:ちがさきこどもマルシェ実行委員会)が開催されました。

当日は、こどもたちが企画から準備・制作まで手掛けた渾身の34店舗と、プロのオトナたちによる物販や飲食などの34店舗が集結。

朝には小雨がぱらついたものの、みるみるお天気は回復。晴れ間がのぞき心地よい秋晴れの中、ファミリー層を中心に2,500人が来場し大盛況のうちに終了しました。当日の様子を、ボランティアスタッフをしながら親子でイベントに参加した茅ヶ崎カンパニーの小本路子がレポートします。[photo by Yu-min]

こどもたちが自ら考え、夢のお店を作り上げるために

ちがさきこどもマルシェの前身となる取り組みは、市内でこども服と絵本のセレクトリユースショップ「tetoteto(テトテト)」を開いている金子有希さんの「こどもたちが主体的にお店屋さんを開き、実際にお金を扱いながら社会と繋がることができるイベントをしたい」という想いにより3年ほど前から始まりました。初めはショップの軒先での小規模なものでしたが、回を重ねるごとに徐々に出店を希望するこどもの数も増え、今回初めて茅ヶ崎市役所前広場での開催となりました。

規模拡大にあたり、市内で食の安全に配慮したこども食堂を運営する「Love.1ness_shonan(ラブドットワンネス湘南)」代表のHachiさん、ヨガインストラクターの山下綾乃さんが主催メンバーとして参加。まちを面白くする人材プラットフォーム「茅ヶ崎カンパニー」のメンバーも含めて実行委員会を結成し、今春から「ちがさきこどもマルシェ」プロジェクトが本格的に始動しました。

出店キッズの募集チラシには「”お店屋さん“の夢 カタチにしよう」という心躍るキャッチフレーズが。5歳から14歳までのこどもたちからの応募があり、締め切り前に枠が埋まるほどの反響となりました。応募が出揃ったところで、出店キッズ同士が顔を合わせる「こども会議」を開催しました。

「『こどもたちが主体的にお店を開くことを目的としていて、オトナはあくまでもサポート役でお願いします』と、イベントのコンセプトを保護者に理解してもらうことから始めていきました。手を貸してしまえば簡単にできあがるかもしれないけど、オトナはできるだけ見守って、こどもたちのやりたいスイッチがONになるきっかけを作ってあげたいと思いました」と実行委員の3人は話します。

撮影:SERINA

2回のこども会議を経て作り上げたお店屋さんは、個性爆発、かわいさ満載、キラキラたくさん。「かわいいものやさん」、「なっちっち♡」、「りこのほうせきせっけん屋さん&きみのチガサキバッジ」などの手作りアイテムの販売をはじめ、スライムを自分好みにカスタムできる「ゆめいろスライムshop」、お面が作れるワークショップ「にじいろおめん」、虫になりきることができる「まじでいま虫がすきだから。」など、こどもたちの「やってみたい!」が詰まった店舗が出揃いました。

当日、設営が終わり、お店でお客さんを待つこどもたちの姿はとても頼もしく、これから始まるイベントへの期待からか、笑顔がこぼれます。

オトナ(プロ)の背中をみて学べる機会を

「オトナの本気をこどもたちにみせたいんです!」

主催メンバーの3人が何度も口にしていた言葉です。こどもたちが楽しんで出店して実際のお金を扱い本物の体験をすることに加えて、しっかりとプロの仕事ぶりをみながらいろんなことを学んでほしいという意気込みを感じました。

そんなメッセージを受け取ったプロによるお店は、なんとこども出店と同じ数の34店舗!こどもたちの出店エリアをぐるりと囲むように並び、バランスの取れた1つの“小さなまち”の土台ができあがりました。

おかいものワークショップエリアには、環境に配慮した洗剤などの量り売りを行う「meguru-low-waste-shop」、海洋プラスティックをアップサイクルしたアクセサリーを取り扱う「530bijou」はじめ、キッズ服販売、手作りコスメなどがズラリ。またフードエリアには米粉を使用したシフォンを販売する「shi-mu-ffon」、アサイーボウルのキッチンカー「チガサキジュース」など、熱い想いを持つ幅広いジャンルの店舗が集まりました。

信念をもって一生懸命仕事をするかっこいいオトナの姿。こどもたちにとって多くを学べるリアルな職場見学の場となりました。

自分で出来たことたくさん!  まち探検の時間

いざ、娘たちとまち探検! リーフレットを片手に“小さなまち”へ繰り出します。

撮影:小本

このリーフレット、一つ目の折り目を広げるとまず目に飛び込んでくるのが「いきたいお店のリストを作って自分だけの計画を立てよう!」と題されたメモのスペース。おかいものリストとやりたいこと・食べたいものリストに分かれていて、自然と書き込みたくなる構造をしています。イベント数日前にこのリーフレットを渡した娘とお友達も「ここに書いておけば忘れないね」と、すぐさま書き込み開始。

撮影:小本

「どんなお店があるのかな」「これが欲しい」「これが食べたい」そんな会話とともに、お店の名前を書いていくこどもたち。当日へ向けてのワクワクが膨らんでいきました。

当日、自分たちが書いたリストをもとに、会場を足早に進んでいきます。数ある商品から欲しいものを選び、自分のお財布からお金を取り出し、無事にお買い物成功。時には売り切れてしまっていたり、ちょっと計算ミスをしてお金が足りなかったり…。うまくいかないことがあっても、自分たちの力でお買い物を進めていきます。

撮影:小本

自分たちだけですべてが達成できている感覚が心地いいのか、どこか誇らしげな2人が印象的でした。

ワークショップも簡単に出来るものが多く、親たちはほとんど何もせずとっても楽ちんです。一方出店キッズたちはとても忙しそう。混んでくるとバタバタする場面が増えてきて、人だかりできているお店もちらほら。

撮影:小本

行列に惹かれて訪れた「ゆめいろスライムshop」では、好きなスライムを選びその中に3つのパーツを入れることが出来るのですが、娘はそのルールを知らずに5つほどパーツを入れてしまっていました。後から説明を聞いた娘は、「たくさんいれちゃった…」と落ち込んでしまいましたが、「説明が遅くなってごめんね! 大丈夫だよ、まだたくさんあるから!」と、怒ることも追加請求されることもなく、おまけをしてくれました。

パーツがたくさん入ったスライムをみんなに見えないように抱えて、嬉しそうな娘。オトナ顔負けの粋な計らいに感謝です!

1日を通してリストに書いたもののほとんどをこなし、リュックにはたくさんの宝物が。大興奮の2人の“小さなまち”探検は終了しました。

撮影:小本

笑顔溢れるアクティビティエリア

朝から空を覆っていた厚い雲がふわっとなくなり、あたたかな太陽の光が差し込んだころ、アクティビティエリアではayanoさん(主催メンバーの山下綾乃さん)が講師の「地球と繋がるヨガ」がスタート。ヨガ哲学の話から始まり、ゆっくりとポージングをとっていくayanoさん。全身で自然の偉大さを感じる喜びや楽しさを、丁寧にじっくりと参加者へ伝えていました。

午後にはyukaさんによるかわいらしい「キッズバレエダンス」のレッスンや、misatoさんによる赤ちゃん連れでも参加できる「ママのためのself love yoga」が開催され、1日を通して笑顔の絶えないアクティビティエリアとなりました。

本物の体験から自分の夢をカタチにしたこどもたち

出店してみた感想を聞いたところ、ほとんどのこどもたちから「楽しかった! またやりたい!!」と返事が返ってきました。

「混んだ時がすごく忙しくて、驚いた」

「いっぱい売れて1時間でなくなっちゃった!」

「商品の説明するときが緊張した!」

「お店をやっているオトナって大変だなって思いました」

キラキラとした目で、今まで準備してきたこと、どうやって商品を作ったか、今日どんなお客さんがいたかなど、いろいろな事をお話してくれました。

たくさんのこどもたちが集まり、本物のお客様を接客し、実際のお金を扱う。楽しいだけではなく、うまくいかなかったことやちょっとしたトラブルもあったようです。

中には、思ったように売れずに悔しい思いがある中、販売を続けた子もいたそう。それでも最後まであきらめずに接客し、次は違うジャンルで参加したいと意気込みを見せてくれているようです。

お友達同士で出店して意見の食い違いなどが生じたチームもあったようですが、主催メンバーの金子さんはこう語ります。

「これから先の人生の中で、常に思い描いたような成功ばかりではありません。失敗をどれだけ経験して自分のものにしていけるか、また、一見失敗にも見える経験の中に成功の種をみつけたり幸せを見いだしたり、どれだけ自分の糧に出来るかでしなやかな心が育っていくのではないかと思います」

オトナたちの見守りの中で、自分たちの力で乗り越えていく体験ができたことは今後の大きな成長へと繋がることでしょう。

こども会議を重ね、商品も看板も値札も作り、自分たちの理想のお店を作り上げたこどもたち。どこを切り取っても、とても大きなものを学んだに違いありません。「”お店屋さん“の夢 カタチにしよう」から始まった、挑戦の3ヶ月間。当初かかげた夢は、様々なカタチとなり、実りとなったのではないでしょうか。

みんなで子育てをする理想的なまちの実現

大盛況のうちに幕を閉じた「ちがさきこどもマルシェ」。1日の締めくくりに、協力してくれたボランティアスタッフへの感謝とともに「こどもたちの“またやりたい!”を叶えてあげたい」と、次回への意気込みを聞かせてくれた金子さん。そして、主催メンバーの3人はこう語ります。

「つながりを大切に、みんなで子育てをする。オトナの見守りの中で、こどもたちが夢を描いて叶えていく。そんな理想的なまちが今回のイベントで現実になった気がしました。こういうイベントが全国いろんなところで広がっていったらいいな」

今回のイベントが、多くのこどもたち、多くのオトナたちへ響き、新しい動きとなって発展していく「小さなまち」の未来。想像しただけでワクワクしませんか? 次回の開催が今から楽しみです!

■開催概要

日時:2024年10月20日(日) 午前10時〜午後4時

場所:茅ヶ崎市役所前広場

来場者数:2,500人

主催:ちがさきこどもマルシェ実行委員会

協力:茅ヶ崎カンパニー・まちづくり法人knork・湘南フードトラック協会

Instagram:https://www.instagram.com/chigasaki_kodomo.m

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住所

神奈川県茅ヶ崎市/茅ヶ崎市役所前広場

公開日:2024-11-15

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