「第41回全国都市緑化かわさきフェア」の春開催が、2025年3月22日(土)から川崎市内の3会場(富士見公園・等々力緑地・生田緑地)で一斉に開幕しました。4月13日(日)までの期間、花と緑の祭典が続きます。
都市緑化フェアは、1983年から全国各地で開催されてきました。川崎市市制100周年を象徴するイベントとして、2024年度の開催地が川崎市となり、昨年10月19日から11月17日までの秋開催期間には、計約94万人が訪れました。
春開催では、「花満開!春に、逢いに行こう。」をキャッチフレーズに、3会場が持つコンセプトに応じて、秋からバージョンアップした各種ガーデン展示やイベントを企画。秋開催と違った見せ方でみどりの魅力が伝わるように工夫が凝らされています。各会場の見どころを写真とともに紹介します。
富士見公園会場(川崎区)
富士見公園会場のテーマは「多様性×みどり」。川崎の多様な魅力や強みを、みどりの魅力とともに発信。地域の多様な主体と新たに連携し、みどりのアクションを持続的につなげていきます。
壁面緑化技術を駆使した高さ3mのフラワーゲートが来場者をお出迎え。『メインガーデン』は、6万株の春の花々で川崎の多様性を表現します。川崎市建設緑政局緑化フェア推進室の清田陽助さんは「老若男女問わず、みどりの中で、同じ時間を過ごせる。人と人がつながればうれしい」と話します。公園内はポピーやキンギョソウなどの春の始まりを印象付ける、黄色やオレンジなどを基調としたガーデンが広がります。夜はライトアップを実施し、昼と夜で違った光景も!
『庭あそび』では庭師の幼少期の原体験から、子どもたちの庭あそびを表現。『岩と苔の塔』『変容する築山』『枝のトンネル』『フォトジェニックなリヤカー』が、園路を遊び場にしています。
市立川崎高校の生徒たちが「多様性×みどり」を表現してデザインした『垂直花壇』も見どころです。
そのほかにも、トラックの荷台がガーデンに変身した『トラックガーデン』、誰もが気軽に農を体験できてつながれる『農と自然のガーデン』、『自治体出展花壇』など、多くの企画を楽めます。
等々力緑地会場(中原区)
等々力緑地会場のテーマは「体験・体感×みどり」です。さまざまな仕掛けを実施、春休みのこどもたちが自由に楽しみ、何度も訪れたくなる様々なコンテンツを提供しています。同室の藤井義章さんは「こどもたちが遊びながら、みどりにふれられる。親しむきっかけになれば」と思いを話します。
『五感の植物』では、五感(味覚・嗅覚・触覚・聴覚・視覚)をテーマに取りそろえた植物たちを使ったガーデンを展示しています。
「サーッ」と風にそよぐ耳に心地よい植物たちや、「フワッ」と漂ういい香り、顔を近づけたくなる植物たちなど、五感を使って楽しめます。
『アクティブガーデン』(全長75mの体験・体感型ガーデン)でも、五感でみどりを楽しむ体験型の仕掛けが目白押し。企業・団体・学生の皆さんと一緒にワークショップを行い、アイデアを出し合い、木に触れたり、音を聴いたり、香りを嗅ぐなど、五感を使って楽しめる40以上の仕掛けがあります。
『ステージ・グルメキッチン』では、川崎が誇る食、音楽、エンターテインメントを体感できます。
『花づくり・花かざり花壇』では、地域のみんなで花を育て、育てた花をみんなで飾り、まちに彩りを生み出しています。川崎市立の小・中・特別支援学校全170校の子どもたちが自ら、小さな苗やたねダンゴ®から花をつくり、学校内外やフェア会場、地域の公園などに届け、市内全域で花かざりを行っています。
そのほかにも『ロングボーダーガーデン』『ウォーターガーデン』、市内のこどもたちによるさまざまなアート作品の展示も見逃せません!

市役所の藤井さん(右)と清田さん
生田緑地会場(多摩区)
「歴史・文化×みどり」をテーマとして、生田緑地への愛着を育み、ファン・リポーターを創出していくコンテンツを実施。生田緑地や周辺の里山に係る団体との交流企画も多数あります。
東口の入口は『竹のエントランスゲート』が設置され、来場者を迎えています。緑地内の竹を使い組み上げたアーチに、地元の方々が制作した竹灯籠や竹細工などを装飾しているそうです。
『自然に親しむ企画展』では、生田緑地を知って・関わって・好きになる――。植物の姿を写し取り、自然の造形美を表現したボタニカルアートや、緑地の保全活動や緑地内で活躍する団体の紹介を展示しています。
高さ30mを超えるメタセコイア林で、伝統工芸である藍染めの布の展示と霧の特別演出による幻想的な空間『藍と霧のメタセコイア』。フォトスポットとしても人気です。

川崎市建設緑政局緑化フェア推進室の矢口菊子さん
同室の矢口菊子さんは、「フェアがスタート地点。みどりでつながった関係性を大切にしながら、みんなでまちづくりを進めていきたい」と今後の展望を話しました。