小田原市が市内初の公立認定こども園として整備を進める「たちばなこども園」が、2026年4月に開園する。8月25日に行われた市の定例記者会見で詳細を公表した。
橘地域にある公立幼稚園の下中幼稚園と22年度から休園している前羽幼稚園を統合し、下中幼稚園の敷地を活用して開園する。コンセプトとして「子どもの主体性や創造性などを育む質の高い幼児教育・保育の提供」などを挙げており、昨年5月には園舎設計に子どもの声を取り入れることを目的に、下中幼稚園児を対象にしたワークショップも行った。
下中幼稚園(園児数8人)は昨年9月に下中小学校内に移転、旧園舎の解体工事は同10月から着手した。新園舎は木造2階建てで、小田原産の木材を使用。また子どもたちの意見を生かした遊具や見晴らし台も設置される。定員は保育部63人、幼稚部29人の計92人を予定している。
市保育課は「子どもたちが主体的に活動できる空間が用意されている。周囲の恵まれた自然環境や地域との交流を生かした保育とともに、異年齢で一緒に過ごせる環境も大事にしたい」と話す。
同課によると06年の認定こども園制度開始以降、市でもこども園設置の検討を始めた。19年に「小田原市公立幼稚園・保育所の今後のあり方」を策定し、方向性などを取りまとめた。
地域への説明やヒアリングの中で、保育施設のない橘地域は市外の施設を利用せざるを得ない状況に加え、両幼稚園は園児数が減少していた。認定こども園の整備を望む声もあり、より良い教育と保育の提供を目指して22年に「(仮称)橘地域認定こども園整備基本計画」を策定。幼保連携型の公立認定こども園整備を進めている。
入園希望者向け説明会を実施
市は入園の希望者と検討者に向けた説明会を、9月27日(土)と10月1日(水)に橘タウンセンターこゆるぎで実施する。各日午前10時から11時で、先着80人。市ホームページから要事前予約。