東海道新幹線の駅がある小田原は、東京にも名古屋や大阪にもアクセスしやすい交通の要所です。
新幹線に乗って通勤している人も多く、都会での仕事と自然豊かな小田原での暮らしを両立することができます。
【東京まで座って35分。新幹線通勤の榎本さん】
小田原市鴨宮で家族4人暮らしの榎本祐介(48)さんは、東京駅まで新幹線通勤をしています。
「行き帰り座れるので、とても楽ですよ」。満員電車とは無縁で、乗り継ぎが良いと自宅から神田の会社までは1時間。都内から通勤している人よりも通勤時間が短いのだとか。
そんな榎本さんのある朝に、密着させていただきました。
朝7時15分に自宅を出発し、最寄りのJR鴨宮駅まで歩いて10分。JR東海道本線に乗り、小田原駅へ移動します。
3分後、小田原駅に到着しました。駅構内を歩き、東海道新幹線に乗り換えます。
小田原駅7時45分発の東海道新幹線こだま東京行きに乗車。朝7時台の東京行きは約10分に1本で、「平日は座れます」という言葉通り席は3割ほど空いています。
シートに腰かけ、まずは音楽を聴きながらiPadで仕事のメールをチェック。目を通すと、次は自分の時間として過ごします。休日、息子さんの少年サッカーチームでコーチを務めている榎本さんは、新幹線の中でコーチングの勉強や情報収集をしているのだとか。一部車両を除き「車内ではWiFiも充電器もテーブルも使えるので快適です」。
「新横浜」「品川」を過ぎ、あっと言う間に「次は東京」の車掌アナウンスが聞こえてきました。
小田原駅から35分で東京駅に到着。神田にある榎本さんの会社までは歩いて15分ほどです。
帰りの小田原行きの新幹線は、夕方17時台と18時台は1時間に3本、19時以降は30分に1本なので、時間に合わせて会社を出てくるという榎本さん。飲み会がある日は、最終の22時47分に乗って帰宅します。万が一、新幹線に乗り遅れた場合でも、東京発23時57分までJR東海道本線が走っているので安心だといいます。
「早くて楽」な新幹線通勤ができるのは、小田原ならではですね。
【お堀端を自転車で走り5分。自宅も職場も小田原の山川さん】
小田原市栄町に本社を置くIT企業、Hamee株式会社(東証1部上場)の山川太郎さん(40)は、10年前に神奈川県藤沢市から小田原市に移住してきました。
現在、スマートフォンのアクセサリーの企画販売やクラウド(SaaS)型ECプラットホーム「ネクストエンジン」を手掛ける同社で、事業企画部のプロジェクトマネージャーとして活躍しています。
20代の頃は藤沢から都内に勤めていましたが、環境も人もあたたかい小田原が気に入り、思い切って転職と引っ越しを決意。小田原城にも海にも近い自宅マンションは、結婚前に購入したのだとか。
朝8時。自宅を出て会社まではドアtoドアで5分。愛車の自転車に乗り、お堀端を颯爽と走ります。あっという間の通勤時間ですが、四季折々の自然を感じられるのは小田原ならではの醍醐味。春には満開の桜を愛でながら、初夏は新緑のトンネルを・・・。真夏は海風が心地よく、真冬でもめったに雪は降りません。
満員電車に揺られていた20代の頃とは、まったく異なる通勤風景。「最高!の一言に尽きます」と山川さんは話しています。
仕事帰りに仲間と食事やお酒を楽しむことも。小田原は飲食店が充実していて、チェーン店よりも個人経営のお店が圧倒的に多いのも特徴です。
この日は、横浜から訪れた取引会社さんとの一席。行きつけのお店、隠れ家ダイニング Jiroさんで、新鮮な海鮮料理でおもてなし。海の幸、山の幸に恵まれている小田原は、食べ物が美味しいまちでもあります。
お父さんでもある山川さんにとって、家族の近くで働けることが何よりもうれしいこと。お昼休みにパッと自宅に戻れちゃう。家族と一緒に食卓を囲むこともあります。
妻の美実さんは、自宅の近くで生活道具「日和」を経営。全国各地の作家さんと実際に会い、陶器や籠、風呂敷など厳選して販売しています。
休日は、長男の晴太郎くんと一緒に湘南ベルマーレフットサルクラブの応援へ。実は山川さん、応援団長を8年間務める筋金入りのサポーターなんです。小田原に来て最初の2年間は、チームのスタッフとして働いていたことも。仕事も趣味も、思いっきり叶えられる小田原の暮らし。
「みんなが繋がっている、世代を超えて交流できる小田原が大好き」と声を弾ませます。