大切な親族が亡くなった後、魂を供養するために行われる法事。故人を弔う行事のため、丁寧に行ってもらいたいですよね。しかし、「どこに頼めばいいの?」「金額(お布施、おふせ)はいくらくらいなの?」と、慣れないことばかりで不安に思う人も多いのではないでしょうか。
- 鶴見区江ヶ崎町にある寿徳寺の広瀬住職は、「地元のお寺は快く相談にのってくれるはずです。まずは一度訪れてみて下さい」と話します。
法事って何?
法事は仏教行事全般を指します。仏となった故人を偲び、冥福を祈る「法要」だけでなく、お墓や位牌、仏壇を作る際などに、魂を入れるための「開眼供養」(かいげんくよう)なども法事と呼ばれます。
法要には、命日から7日ごとに行う「忌日法要」と決まった節目の年の命日に行う「年忌法要」があります。
- 忌日法要は、故人の命日から7日目ごとに初七日(しょなのか)、二七日(ふたなのか)、三七日(みなのか)…と呼ばれ、49日目の七七日(しちしちにち)まで続きます。しかし、現在は初七日(葬儀当日)と七七日のみが行われることも多いそうです。
- 年忌法要は、一般には一周忌(逝去されて1年目)、三回忌(命日を1回と数えますので二年目となります。以下同じです)、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌と続き、三十三回忌、もしくは五十回忌をもって「弔い上げ」とし、法事の締めくくりとなります。
わかりやすい法事を目指す
「法事は、いまではインターネットなどでも頼めるといいますが、どんな僧侶が来てくれるか分かりません。また、毎回違う僧侶に頼むのは大変だと思います。やっぱり地元のお寺が安心です」と広瀬住職。
- 寿徳寺が目指すのは「分かりやすい法要」です。
ご焼香の前に、やり方や意味を説明し、お経の後にも法話で仏教の教えを教えてくれます。金額(お布施、おふせ)は、法事の内容によって3万円から相談に応じます。
寿徳寺での法事の流れ
では、具体的にどんな流れで頼めばいいのでしょうか。住職に聞きました。
お寺と相談して日時を決める
まずは、お寺に電話をして日時や内容を決めます。日取りが決まったら参加者や親戚に連絡。この時、塔婆を申し込むか確認しておくと良いそうです。また、お墓がある人は、事前にお墓の掃除をしておきましょう。
当日はお寺へ・自宅でも
当日は、予約した時間の15分~30分前にお寺へ訪問し、お布施などを渡した後、控え室で過ごします。
時間になったら、本堂へ移動します。静かで荘厳な雰囲気の本堂で住職がお経を読みます。場合によって読経は、ご自宅で行うことも可能です。ただし、お寺での法要の方が「密」が避けられます。
事前に申し込んだ人には塔婆が渡されます。寿徳寺では1本3千円です。住職による法話を聞いた後は、お墓参りや食事へ行く人が多いそうです。パーテーションが設備されていますので、お寺の控え室での食事も可能だそうです。
どんなことでも気軽に
寿徳寺には、「お骨を抱えたままで困っている」「一度ほかの僧侶にお願いしてしまったから頼みづらい」…などと相談に来る方が多いとか。広瀬住職は、「開かれたお寺を目指しています。どんなご状況でも、安心してご相談ください」と笑顔をみせてくれました。
- 地元のお寺に頼むことで、庭の樹木や地域の古文書などの地域文化を守ることにもつながるそうです。
歴史学者が住職のお寺
元和元年(1615)年に曹洞宗寺院として開山し、横浜市鶴見区の矢向、江ヶ崎、川崎市の小倉、加瀬などの人々の安らぎの場所となっている曹洞宗・寿徳寺。
廣瀬良弘住職は、駒沢大学の学長を務めた歴史学者。大本山永平寺の古文書の整理・出版も務めます。副住職はじめ寺内の僧侶も修行の後、大学の非常勤講師などをつとめながら、住職とともにお寺を支えています。
寿徳寺は、横浜市鶴見区の矢向駅から徒歩13分ほどの住宅街の一角にあります。川崎との市境に近く、川崎駅や武蔵小杉駅からのバス便もあり、バス停から徒歩1分の好立地にあります。また、新川崎駅も近く、タクシーで5分ほど。後々のお参りも考えると大変便利な場所です。墓地も平地にあり、車イスでのお参りも可能です。
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