親しい人のみで行う家族葬や、お寺を通さず火葬のみを行う直葬が増え、葬儀事情が変わりつつある昨今、そんな今だからこそ、お寺で昔ながらのあたたかい供養を行う大切さについて、曹洞宗・寿徳寺の住職であり、駒澤大学の学長も務めた廣瀬良弘さんにお話を伺いました。
寿徳寺は横浜市鶴見区の矢向駅から徒歩13分ほどの住宅街の一角にあります。川崎との市境に近く、川崎駅や武蔵小杉駅からのバス便もあります。また、新川崎駅も近くタクシーで5分ほどです。葬儀の際に、各方面からいらっしゃる会葬者の方には、便利な場所です。「お気軽にお越し下さい」と住職。
境内には四季折々の自然が感じられる美しい庭園があり、数々の木々や訪れる人を癒し魅了します。
研究者でもある住職
廣瀬住職は、もともと埼玉の生まれ。東京に出て、お寺で修業をしながら大学に通い、生涯をかけて禅宗や歴史について研究を続けてきました。永平寺文化事業委員会の委員長や駒澤大学の学長などを務め、歴史学や古文書学の分野で活躍されてきた方です。
法話では、日頃の学問の成果をできる限り分かりやすく伝えられるように心掛けているといいます。大学などで教鞭をとった際の経験が生きてきます。
副住職はじめ寺内の僧侶も、修行の後、大学の非常勤講師などをつとめながら、住職とともにお寺を支えています。
仏様の世界に入る、とは?
昨今、お寺を通さない直葬が増えていることについて廣瀬住職は、「昔からの伝統が引き継がれていないように感じる。戒名を授からず、仏様の世界に入らずに火葬されてしまうのはとても寂しいこと」と懸念します。
では仏様の世界に入るとはどういうことでしょうか?
お寺で僧侶が行うお葬式の儀式には一つひとつ、大切な意味があります。儀式の内容は大きく分けて、懺悔(仏教では昔からさんげ)、十戒、引導法語の3つに分かれます。
- まずは故人にこれまでの人生を振り返らせ、反省させる懺悔。
- 後に、仏様の世界に入るために守るべき10条の約束・十戒を与えます。
- その十戒を守るという返答をした者には、戒名を与え、
- 最後に「引導法語」といって、あの世に送りだすお経を読みます。
そうすることで、故人は仏様の世界に入り、安楽なあの世で暮らすことができ、遺族の心のやすらぎにもつながると住職は話します。
葬儀の儀式には、こんなに深い意味があったんですね。知りませんでした。
じっくりと考え授ける〝戒名〟
寿徳寺では何より「丁寧な供養」を大切にしています。戒名を作る際は、事前に故人の人生についてじっくり話を聞きます。性格や趣味、好きだったものなどを材料に、辞書を引いたりして、時には半日以上もかけて戒名を考え、遺族にはしっかりと、その戒名にした意味を伝えるそうです。
「戒名を見ただけで、どんな人だったかが分かるように心がけています。遺族の悲しみが少しでも和らぎ、心も和むように」と住職は温かい笑顔を見せてくれました。
寿徳寺では、お身内だけのお葬式から対応。「ご遺族の気持ちを一番に考え、ご満足いただける葬儀を一緒に考えたい。お身内1人、2人からのご葬儀でも、どうぞご本堂を使ってください」と住職。
費用は、祭壇料、ご遺体搬送料、霊柩車など力を借りる葬儀社へのお支払いと、さらに同寺へのお布施などを含んで60万円からです。また、ご要望があれば、その後のお位牌やお墓やご法事などのご相談にも引き続き乗っていただけるそうです。至れり尽くせりです。
ご縁を大切に
日本全国の寺院数は8万を超えており、コンビニよりも多いといいます。また、葬儀社にも様々な形態があり、亡くなった後の一連のセレモニーの選択肢は多種多様になってきています。だからこそ、信頼し、困った時に頼れるお寺を持っておくことが大切だと住職は強調します。
「8万を超える寺院がある中でお会いできたことはまさにご縁のたまものです。可能な限り、要望に合わせたご満足いただける供養を実現します。丁寧に供養することは、故人のやすらぎ、遺族のやすらぎにつながります。まずはご相談ください」
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