災害時、停電になっていざ困るのがスマートフォンの充電切れ…。情報収集や連絡手段の確保は、物理的にも気持ちの面でも重要になってきます。
そんな緊急時、避難所や職場、学校現場などであると安心なのが、停電中でもスマホ等が充電できる非常用電源です。この非常用電源となるリチウムイオンバッテリーの開発・販売で、持続可能な開発目標SDGsに取り組む企業があると知り、今回、新横浜の株式会社ベイサンに潜入取材をさせてもらいました!
横浜市YーSDGsにも認証
お話を伺ったのは、株式会社ベイサンの矢野智久代表。横浜市の認証制度「Y-SDGs」認証企業でもあります。
以前からリチウムイオンバッテリーの製造・販売を行っていた同社では、環境に配慮した循環型社会に向け「電池業界として何ができるか」模索してきたそうです。そこで着目したのが、電気自動車としての役目を終えた車用バッテリーでした。
捨てられる電気自動車のバッテリーは、レアメタルの「資源の宝庫」!
バッテリーにはリチウムやコバルト等の希少な鉱物資源(レアメタル)が使用されていますが、車に乗り続けると交換が必要に。しかも捨てる際は焼却処分ができず社会問題となっているそう。
電気自動車の動力用としては役割を終えても、他の用途で使用するにはまだまだ十分な蓄電容量を持つことから、同社では新たなレアメタルを消費するのではなく、捨てられる電気自動車用のバッテリーを「リユース」して別商品に変換させることに、SDGs推進への可能性を見出したのです。
平常時・災害時も活躍のバッテリーへ
こうして1年の開発期間を経て、国産車の電気自動車用バッテリーをリユースした、災害時にも役立つ「R-ARCA」が誕生。
平常時から使用しやすい洗練されたデザインで、いざという時に非常用電源として持ち運びできます。
最大10個のスマホを同時充電!
こんな場面で大活躍
- 災害時、自治体や自治会町内会が避難所で
- 停電等に備え、職場の危機管理に
- 学校などでの屋外授業に
ユーザー使用後はリサイクルで、循環型社会へ
最終的にユーザーが不要になった際も見通し、リサイクル回収サービスも。開発から回収まで責任を持ち、循環型社会への仕組みづくりに寄与しています。