この情報は2021年取材時のものです。
- 自分たちが社会の一員であり、世の中に深く関わる存在であると子どものうちから意識することは大切なこと。
「知識を詰め込むのではなく、より実践的な授業内容で楽しみながら学ぶことを教えてくれる」と人気の「玉川学園」の技術・家庭科 技術分野を担当する山田真也先生(44)に話を聞き、そのユニークな授業や生徒たちへの思いを取材しました。
1.子どもたちの幸せが一番
技術・家庭科 技術分野担当として3年になる山田先生。以前は横浜市の公立中学校で16年間、数学を教えていたという経歴を持ちます。「楽しく、できるようにする」という部分では両科目に共通し、教員としてもやりがいがあると話します。
- モットーは「生徒の幸せのために。1にも2にも子どもたちが一番でありたい」と力を込めます。
2.口ぐせは「考えて‼」
「覚えるよりも、自分たちで考えることが大切」と指導。その考えに焦点を当てた授業がユニークだ。「普段の生活の中で見つけた『気づき』を授業に取り入れることにしています」
教科書に載っているものではなく、より実践的なもの。「例えば子どもたちは授業に飽きてきた時によくシャープペンシルを分解しているので、それを授業にしたら、楽しいかな」と。バラバラにするのが目的ではなく、分解したら必ず組み立てなさいと教える。そのときに「何でこの部品じゃなきゃいけないかを考えてほしい」。
仕組みを図鑑のように書くことによって理解が進み、その後には改善点などのアイデアを企業に伝えるところまで指導しています。
3.学ぶことにわくわくさせる
「学ぶ」ということは「わくわくする」ということ。そして、発見したこと、気が付いたことを、「言葉」で説明できるようになることが大切。
「未来の自動販売機を考える」課題はチームで企画し、グループで学習させる。楽しいだけじゃ終わらず、それを実践させる場をつくることが教員としての務めでもあると考えています。
「『学ぶこと』は決められていても、そこにたどり着くまでのプロセスを考えることが教員としての楽しみです」
4.オンラインならではの工夫も
コロナ禍でオンライン授業が増える中、今までと同じことができない、ではなく、オンラインだからできることを工夫しています。
企業に対してオンラインでプレゼンテーション
家族と一緒に考えることができる課題を与えるなど、保護者も楽しめて、家にいるからこそできることはたくさんあると話します。「ニュースに関心を持ち、家で毎日見ているものがものづくりのヒントになっている」
5.生徒とは同じ目線でいたい
伝えたいことを伝えられる関係を大切にし、生徒とは「同じ目線でいたい」と山田先生は強く意識しています。子どもたちに必ず話すのは「命の大切さ」。みんなが話しやすい環境をみんなでつくる。「一人の人間として、この時期(多感な中学生)に伝えなければいけないことはきちんと伝えていきたい」