葬儀といえば、大きな祭壇を前に、たくさんの会葬者に来てもらう様式が一般的でした。菩提寺にある先祖代々の墓に埋葬し、命日やお盆、法事の度に親戚一同が集まり、法事は33回忌、50回忌、多いと100回忌まである家もありました。長い年月をかけて故人を弔い、悲しみを癒やそうとしたのです。
しかし時代は移り変わり、ここ数年、自身の最後と向き合い、自分らしい人生を送るための準備「終活」が浸透。「家族葬」や「樹木層」「散骨」など、シンプルで費用を抑えた「時代に合った葬儀」の形が新たなスタンダートとなってきています。
横浜市保土ヶ谷区天王町の「新光メモリアル」では個々のニーズに応じた葬儀に関する相談に応じています。家族葬や通夜や葬儀・告別式を行わず、火葬のみを行う「直葬」など、コロナ禍もあり、「時代に合った葬儀」のニーズが加速しています。
◆親しい人たちによる「家族葬」
家族・親族を中心に、極親しい少人数が参列する家族葬。
家族の要望を汲み取った自由なスタイルで心がこもった葬儀ができます。規模が小さくなるので、種々の経費・費用が抑えられる「小さな葬儀」としてここ数年、増えている新たな形のひとつです。
◆会葬者にやさしい「一日葬」
1日目にお通夜、2日目に告別式と火葬を行うのが通常の葬儀の形ですが、「一日葬」はお通夜がなく、葬儀・告別式だけのお別れのスタイルであるため、参列者に高齢の方が多い家族や、遠方から来る親族が多い家族、仕事が忙しい方などに選ばれています。
◆火葬だけを行う「直葬」
お通夜や告別式といった儀式の一切を執り行わず、火葬のみで済ませるシンプルな葬儀が「直葬」です。家族が準備や会葬者の対応に追われることもないので、ゆっくりと時間を使い故人との最後のお別れの時間を過ごせます。
◆墓石がいらない「樹木葬」
花や木などの植物を墓標として用いる新しい埋葬方法が「樹木葬」。
「最期は自然に還りたい」「死後は緑に囲まれながらゆったりと過ごしたい」。そんな故人の想いを叶えるお墓が「樹木葬」です。「お墓を建てない」「お墓の継承もいらない」という点も自然の中のお墓が人気の理由です。
最後のお別れ「故人らしく」
このように葬儀の形が多様化しています。新光メモリアルの黒須代表は
「故人との最後のお別れは従来の形式に縛られず、『故人らしさ』を大切にしたいとお考えの方が増えてきています。自身の最後を生前にプロデュースする方もいらっしゃるなど、故人や遺族の意思を反映させることに重きをおいた御葬儀に関する御相談に応じさせていただいております」
といいます。好きだった花で祭壇を飾る、お酒が好きだった故人であれば、お焼香の代わりにお酒を供える、会場を生前の趣味をイメージした装飾にする、そんな「故人との思い出」が色濃い最後のお別れの場、素敵ですよね。