2029年度の整備完了を目指す
「等々力緑地再編整備実施計画」の改定(案)が11月18日、市議会まちづくり委員会で示された。同計画改定骨子案では検討中としていたプールやストリートスポーツ広場などの施設が新たに盛り込まれた。今後は市民からの意見を募りながら計画を進め、2022年4月から指定管理者を公募し、2029年度の整備完了を目指す。
改定(案)は、市が2021年の5月に発表した骨子案を踏まえ、新たに計画された施設や今後のスケジュールなどが発表された。
プールの整備
今回、初めて示されたのがプールの整備。市によると年間を通して使える室内プールになり、小学校の授業にも使える仕様で幼児用プールの導入も予定するという。レーンの数、大会等が開ける規模になるかなどは未定だ。多摩スポーツセンター(多摩区)の室内温水プールのようなものを想定しているという。
等々力プールは、かつて年間約5万人の利用があったが、等々力球場の改築に合わせ15年の夏に廃止、撤去。廃止後に、幼児用のじゃぶじゃぶ池を整備する方針が示されていたが、再整備を求める市民の声も多かった。
屋外プールは利用期間が短く、室内は維持管理費用がかさむ点が骨子案では課題とされていたが、改定(案)で室内プールとして整備されることに。プールの復活を願い、地域活動を行ってきた市立中原中学校PTA会長の石井雅彦さんは「子どものころ友人と遊んだ思い出深いプールが復活することは本当にうれしい。年間を通して市民が気軽に利用できたらいい」と喜んだ。
外周園路を整備
ストリートスポーツ広場ではスケートボードのコースやバスケットボールのゴール等を整備。各競技の体験会や技術向上のためのスクールを開催するなど、民間事業者と連携し取り組む計画もある。
その他、芝生広場、多摩川との連絡路などが盛り込まれた。また安全・安心な空間の確保、公園中央部の分断解消のため、中央園路の一般車両の通行を禁止し、外周園路の整備を行うとした。
なお、室内プール、ストリート広場の場所は球技専用スタジアムに再整備される陸上競技場の北側で、釣池の一部が埋め立てられる。
完成は8年後
新たな施設の配置や規模は「公募する事業者からの提案に柔軟に対応しながら計画を進める」と川崎市建設緑政局等々力緑地再編整備室の担当者は話した。
今後のスケジュールは、22年2月にと等々力緑地再編整備実施計画を改定。同年4月から事業者を公募し、23年4月から緑地内施設を指定管理者制度で一体的に管理、29年度の施設整備完了を計画する。
なお、市では12月21日まで改定(案)への市民からの意見を募集している。