「大した額じゃないから」「生きているうちから縁起でもない」「うちの家族はみんな仲がいいからもめないと思う」と、どうも差し迫ってからではないと行動に移しづらい相続の準備。
実際に相続が必要になり、困ったり手続きを放置していたり、親族間で争いに発展してしまった人たちに共通するのはこの準備不足。「いつ、誰に、何を相談してよいかわからない」という方は、まずは士業集団に一括して話をしてみるのが手っ取り早そうです。
〝めんどくさがり〟にぴったり
税理士や弁護士、司法書士など、相続に係わる専門家らで構成される「相活ステーションよこすか」は、こうした〝迷える被相続人(候補)〟の味方。予約すれば自宅や近所のカフェなどへ出張相談を行ってくれる、しかも無料とのこと。
「相活ステーションよこすか」って何?
「相続」をテーマに毎月会員間で勉強会を開き、相続を取り巻く現状や法律改正の動向などを共有。コロナ禍以前は市民向けに無料相談会を実地で行ってきた。
現在は感染予防の観点から希望者1人1人に向けて個別相談を実施しています。
町内会向け無料相談も開始
とは言え、自分から問い合わせることにもハードルを高く感じる方もいらっしゃるはず。そんな方向けに町内会単位でオンライン無料相談会を2021年7月に初開催。
オンラインと言っても相談者はインターネットやパソコンの知識は必要なく、町内会館等の指定会場に赴き、そこに用意されているパソコンの画面上で「相活ステーションよこすか」のメンバーが相談に応じる形式だそうです。もちろん出張費、相談料は無料。
メンバーで公認会計士・税理士の榊原慎太郎さんによると、被相続人(財産を遺す人)が亡くなって以降も親族がどうしてよいかわからず、手を付けていない相談ケースがあったという。「相談にこそ来てはいないが、相続手続きが必要な方がまだまだ潜在している」と、今後も活動の必要性が高いことを改めて確認したそうです。